教科書的な列記では見落とされる欧州史の大局観

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中世までは原始的な要素を多分にかかえていた

   これらの基本コンセプトで、侵入と征服の歴史、民主主義や封建制の形成、皇帝と教皇の関係等を整理し、欧州史の流れを説明している。もちろん、かなり荒っぽい分析ではあるが、教科書的な列記では見落とされる大局観を提供してくれる。特に、ゲルマン民族の影響は軽視しがちだったように思う。我々は往々にして各国史に先入観が入り、また、欧州文明を特別視してしまうところがある。かつて読んだ名著でも『アラブが見た十字軍』(アミン・マハループ、筑摩書店)が面白い。欧州も中世までは原始的な要素を多分にかかえており、産業革命が世界の構図を大きく変えている。

   長い欧州のストーリーの中で見ると、先に言及した国家を超えた欧州の統合や英国の離脱も、EU内におけるドイツと南欧諸国の対立も、納得とともに別の面白さも出てくる。政治学における歴史の重要性もこういったところにあるんだろう。自分も引退したら、日本を取り巻くアジア史を俯瞰できるよう、勉強してみたい。

経済官庁 吉右衛門

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