「乾癬(かんせん)」は、免疫バランスの異常が原因で起こる疾患で、主に皮膚に症状が出る。日本には40~50万人の患者がいると推計されているが、国内での認知度は低い。
医薬品企業のセルジーンは、人気漫画「はたらく細胞」の原作者・清水茜さんとコラボレーションし、描き下ろし漫画「はたらく細胞~乾癬編~」を制作。2019年10月21日からウェブサイト「乾癬パートナーズ」で無料公開、電子書籍サイト「honto」で無料配信している。
人にはうつらないが...誤解が患者のストレスに
「はたらく細胞~乾癬編~」は、10月29日の「世界乾癬デー」に向けて制作された。
漫画という親しみやすい媒体を通して、乾癬の複雑なメカニズムの理解を促進することが目的だ。
乾癬パートナーズによると、乾癬の皮膚では免疫バランスの異常により炎症性の物質が過剰に分泌され、皮膚が赤くなる紅斑(こうはん)や、皮膚が盛り上がる肥厚(ひこう)があらわれる。また、皮膚の新陳代謝の速度が健康な皮膚の約10倍になり、過剰に生産された表皮が厚く積み上がり、銀白色のかさぶたのような鱗屑(りんせつ)となってポロポロとはがれ落ちていく。顔などの皮膚が見えるところに症状が出る場合もあるため、見た目の変化やまわりの人の反応が気になり、人前に出ることにストレスを感じる患者もいる。
人にうつる病気ではないが、日本では「乾癬」の響きが「感染」を想像させるため誤解を受けることもある。セルジーンの発表資料によると、これは患者にとって大きな精神的負担になっていると考えられている。
漫画を描いた清水さんは、「はたらく細胞~乾癬編~」掲載サイト上と電子書籍内で、「乾癬という病気が多くの方を苦しめているとはじめて知りました。(中略)はたらく細胞が、乾癬の知識を広めることに役立てればとても嬉しいです」とコメントしている。