カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。3歳三冠も終わって、いよいよ秋のGIも真っ盛りだじぇい。先週の菊花賞は珍しくカスヨ姉さんが◎△〇で三連単、カス丸も▲◎〇で三連複当てたよ。この調子でいくきゃすう。今週は天皇賞(2019年10月29日、東京競馬場、芝2000メートル)。カスヨさんは半年に一回しか当たらないから、もう秋はムリだけど、カス丸は当て続けるじぇい。
カスヨ カス丸、いい加減にしなさい。あとでお仕置きだからね。穴狙いのわたしだって、当たるときは続けて当たるのよ。とくに今年の秋の天皇賞は自信たっぷりよ。
カス丸 ふーん、でも穴狙いだから「絶対王者」アーモンドアイが本命◎じゃないよね?
アーモンドアイが届かないケースとは
カスヨ カス丸も口のきき方が生意気になってきたわ。爺の血を継いでるから仕方ないわね。さて、わたしの本命はワグネリアンよ。去年のダービー馬。といっても、2400メートルのダービーより2000メートルの天皇賞のほうが距離はベストよ。前走の札幌記念(GII、札幌、2000メートル)では前脚が両方とも落鉄(蹄の下につける蹄鉄が落ちること)するアクシデントがあったなかで4着よ。底力はトップクラス。前にも行けるし、中団からも行けるし、自在性が強みだわね。
カス丸 爺は「絶対王者」アーモンドアイが本命だよ。やっぱり強いきゃすう?
ガジュマル爺 前走の安田記念(GI、東京、1600メートル)ではスタートで大きな不利があったんじゃが、さすがにこの馬だけはタイム差なしの3着に追い上げたんじゃ。まあ、それまではGI5連勝。なみの馬でないことは誰もが認めるところじゃ。そもそも欠点らしい欠点がないんじゃから、負ける理由が見当たらんわけじゃ。今回は出走16頭のうち、10頭がなんとGI馬なんじゃが、ダントツにアーモンドが実績ナンバーワンじゃ。ケチのつけようがないんじゃ。
カスヨ べたぼめね、爺は。でも私はアーモンドは単穴▲よ。対抗〇はダノンプレミアム。その安田記念なんだけど、ユタカちゃん(武豊)が乗ったロジクライがスタート直後に大きく左に斜行して、隣の4頭が大きい不利を受けたのね。そのなかにアーモンドとダノンプレミアムがいたんだけど、すぐ隣だったのがダノンプレミアム。腰をがっくり落とす感じになって、鞍上の川田ちゃんがケガを心配して最後まで流す程度にしたわ。安田記念はアーモンドとダノンとの「世紀の一騎打ち」とみられたのに、台なしだったレースよ。ユタカちゃんは去年のこの天皇杯でもマカヒキに乗って、スタート直後に1番人気だったスワーヴリチャードにぶつかっったのね。結局、スワーヴは10着。ユタカちゃんとマカヒキのコンビは今回も出てるけど、何もないことを祈るばかりだわ。話がそれちゃったけど、そんなわけでダノンプレミアムとアーモンドアイとの対決はここに延期になったかたちになったわけ。おそらくレースはアエロリットがこれまでにない速さで先頭を突っ走ると思うわ。これはアエロリットがアーモンドアイに勝つためには、これしかない戦法ね。後ろの馬たちに脚を使わせてスタミナを奪い、自分はぎりぎり粘って勝つ。だからアエロリットの後ろから来るアーモンドアイは届かない可能性があるわ。一方で、先行してレースができるのがダノンプレミアムよ。アエロリットのスピードに乗って、なおかつ最後はアエロリットを捕まえるスピードで走れる馬はダノン以外に今回のメンバーには見当たらないのよね。ダノンは4月のマイラーズカップ(GII、京都、1600メートル)で2番手につけ、最後の上がり3ハロン(600メートル)を32秒2で走ったわ。先行馬にこんなスピードで走られたら、後ろから来る馬はまったく歯が立たないわね。それができるのがダノンなのよ。ただ、安田記念から直行した馬は天皇賞での成績があまりよくないのね。ダノンもアーモンドも安田記念組だから、そこはちょっと気がかりね。
カス丸 爺の対抗〇は、去年、武騎手に不利を受けたスワーヴリチャードだじぇい。