10月24日は日本マーガリン工業会が定めた「マーガリンの日」だ。同会のウェブサイトによると、マーガリンの生みの親であるフランス人、メージュ・ムーリエ・イポリットの誕生日に由来する。そのためツイッターに「マーガリン」に関する投稿が多く見られるが、中でもこんなツイートが記者の目に留まった。
「マーガリン、バター...違いがわからない」
バターは乳製品、ではマーガリンは?
マーガリンとバターの差がわからないという投稿は、ツイッターをさかのぼると複数見つかる。「バターとマーガリンの違いがよくわからない あってもいいし、なくてもいいんじゃない?」、「正直この年になってもバターとマーガリンの違いがわからない」--こんな具合だ。
一言で言えば、違いは「原料」だ。日本マーガリン工業会のウェブサイトには、マーガリンの主原料は「植物性・動物性の油脂」だとあり、「精製した油脂に粉乳や発酵乳・食塩・ビタミン類などを加えて乳化し、練り合わせた加工食品」と説明されている。対してバターは牛乳が原料の「乳製品」。また形状も、マーガリンが「やわらかく、なめらか」でパンに塗ったり、練り込んだりしやすいのに対し、バターは「固めの質感で形状を保ちやすい」。
日本乳業協会のウェブサイトには、見た目こそよく似ているものの、やはり原料をはじめ「製造方法、成分、風味などが大きく違っている」とある。原料や風味については以下のように解説している。
「バターは乳脂肪分80.0%以上(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)、マーガリンは油脂含有率80.0%以上(日本農林規格)と定められています。マーガリン類では、低エネルギーのものが好まれるので、油脂含有率が80%未満のファットスプレッドが主流です」
「優れた風味のバターは料理やお菓子作りに欠かせませんし、マーガリン類にはあっさりとした味わいがあります」
ナポレオン3世がかかわっていた!?
マーガリンはもともと、1869年に仏皇帝ナポレオン3世が当時不足していたバターの代替品を募集した結果、採用された案(日本マーガリン工業会ウェブサイトより)。当初は、上質な牛脂に牛乳などを加えて冷やし固め、バターに似せて作り出していた。
このように代替品として誕生した経緯があるが、最近ではそれぞれの長所を掛け合わせ、バターを加えたマーガリンなども販売されているという。