岩居さんが演技のガイドにする「役割語」
岩居さんの講演は、同大学院文学研究科が企画した公開講座「マンガ・アニメの役割語」の第3回目。漫画やアニメに出てくる博士のキャラクターが「わしは○○じゃ」と話すような、特定の人物像を想起させる言葉遣い「役割語」についての講座だ。
ドラマCDやゲームの台本には、キャラクターの外見や年齢、性格などと共に、セリフ例が書かれたプロフィールがついてくるそうだ。その際に、語尾に「じゃ」が付いていれば老人、「ニャ」なら動物キャラ、一人称が「あたし」は幼い感じ、と役割語から特徴を読み取り、演技のガイドにしていると明かした。
岩居さんの話を受け、受講者は実際のアニメを見ながらアフレコを体験した。
岩居さんが主役を務めたアニメ「無人惑星サヴァイヴ」第1話の台本が配布され、音を消した映像が教室前方のスクリーンに投影される。参加者はスクリーンの前に並べられたマイクの前に立ち、岩居さんが説明したキャラクター設定とセリフを手がかりにして演技する。
途中で岩居さんのアドバイスや指導が入り、参加者は回を重ねるごとに上達。最後には、見守る受講者の「うまいな」という感嘆のささやきが聞こえてきた。