「1人で抱え込まなくてもいい」
矢方さんはホルモン療法継続中の今も、急に熱くなったり汗が出たりする「ホットフラッシュ」が続いている。「満員電車で滝のように汗が出て、隣の女性に『なんでこの人はこんなに汗をかいているんだろう』という目で見られていたのがすごく恥ずかしかった」と明かした。外出の際は、ホットフラッシュが起こる前提で服装を選んでいるという。頭からも汗が出るため、ウィッグを使用するときは、ふくりびからのアドバイスに従って裏地に脇汗吸収シートを入れて対策していたと話した。
ふくりびには、容姿面だけでなく心理的にもサポートもしてもらった、と矢方さん。
治療を始めたばかりのころは、人に見られないように電車では端に乗り、歩くときは下を向き、人通りの少ない場所を選んでいた。そんな中、岩岡さんらに「1人で抱え込まなくてもいい」と声をかけられ、悩みを打ち明けられるようになったという。サポートのおかげで見た目に自信が持てるようになり、ポジティブになれたと話した。
矢方さんのホルモン療法は、あと9年ほど続く。
トークセッションの最後には、「今は治療中ですけど、全然人生諦めてない。色々挑戦していきたいと思っています」と笑顔を見せた。