病院受診できず感染症が広がる世の中
トークセッションでは、健康保険がなくなった未来を蛭子能収さんが描いた「10割負担の未来絵図」が披露された。
自力で病気やけがを治そうとする「気合治療」、一部の薬の負担額が高級腕やバッグの価格並みになってしまう「高価な薬」、病院を受診しづらくなり感染病が広がる「インフルエンザバトンパス」など、医療費が10割負担になったら起こり得る9つの出来事をイラストにしたもので、古川さんは「かわいいしわかりやすい」と絶賛。カンニング竹山さん、松木さんと共にそれぞれの事象にコメントする形で、健康保険が無くなった未来に思いを巡らせた。より費用の安い病院を求めてさまよう「病院迷子」については、「こういうことも出てくるでしょうね」と竹山さん。さらに、価格競争によって病院の質にもばらつきがでる可能性も指摘した。
3人は、「健康保険がなくなったら、自分だったらどうするか」をそれぞれ発表した。
古川さんは「『自分でインフルエンザの薬作ってみた』という動画を公開する」。予防接種も治療薬も高額になると、インフルエンザの流行が起こるだろうと予想。自分で薬を作って治らないか試すと話した。これに竹山さんは「薬機法違反になる」とツッコミながら、正規の薬品ではない「闇薬」が出回る可能性に気づき、「怖い!」と顔色を変えた。
その竹山さん自身は「キレて気合で治す」。風邪やインフルエンザくらいでは、自分は病院に行かなくなると予想した。加えて、友人や後輩にも気合で治すことを強要し、パワハラで週刊誌に取り上げられるところまで想像を膨らませた。
松木さんはアスリートの立場で「ケガをしないようにテーピングやすね当てをそこら中にするようになるんじゃないか」。ふくらはぎにもすね当てを付ける、元アルゼンチン代表・マラドーナのようなサッカー選手が増え、ラグビー選手は他の選手にぶつかりにいかなくなるのではないか、と笑いを誘った。
最後に、3人は国民一人一人が健康保険について考えることが必要だと訴えた。
古川さんは、プロジェクトに参加するまで考える機会はなかったが、今では自分たちの世代にとっても他人事ではないと感じているという。医療費の高騰で自分の欲しいものが買えなくなるだけでなく、費用の問題で妊娠・出産を諦めざるを得なくなるかもしれないと真剣な面持ちで話し、「若い子たちでもいっぱいツイートして、健康保険がなくならないようにしていきたい」と意気込んだ。