「デジタル・ガバメント」日本とエストニアの差はどこに

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

IT人材の底上げに成功したエストニア

   日本はどうだろうか。先の大国問題についていうと、政府は中央政府のほか、都道府県、そして基礎自治体である市区町村があり、これまでそれぞれがICT化を進めているから、一種のベンダーロックイン(特定メーカーの独自の仕様等に大きく依存したシステムにより、他のメーカーへの乗り換えを困難にすること)が各所で生じていて、政府もICTセクターも、先見性のある積極的な行動を起こせなくなっているように思う。また、国民についても、この手の議論になると、スマートフォンを持っていない高齢者はどうするんだ、という議論で止まってしまう。e-スクールを推進し、IT人材の底上げに成功したエストニアとの差は大きい。

   しかし、悲観ばかりしていてもしかたがない。日本にもデジタル・ガバメントの基盤はできつつあり、先進的なシステムを提案できるICTセクターもある。エストニアの政府関係者が、デジタル・ガバメントが遅れている日本との違いを問われて「国家の強い意志」と答えている。国・地方を通じて、個々の利害や事務負担への抵抗を超えて、BPR(Business Process Re-engineering)を徹底し、デジタル・ガバメントを現実に進める政策遂行能力が問われていると思う。幅広い国民の方々にも、デジタル社会の流行を支持してもらいたい。

経済官庁 吉右衛門

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