自社オンラインゲームの企画などを手掛けるジー・モード(東京都品川区)は、「空気読めてる(KY)度」を診断できる、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)ダウンロード専用ゲーム「みんなで空気読み。2 ~令和~」を2019年9月26日に発売した。08年にケータイアプリとして配信され、累計1000万人以上が遊んだ「空気読み。」シリーズの最新作だ。
基本的に、ゲーム内に登場する赤いキャラクター(人や物とさまざま)を操作し、場に適していると思われる行動を取ればいいそうなのだが、ゲームでKY度が測れるとはどういうことか。取材を申し込むと「実際に遊んでほしい」との回答があった。結果を知りたいような、知りたくないような...。
たばこを持った自分に、たいまつを持ったランナーが迫る
ジー・モード広報担当者から体験用ゲーム機を渡され、記者がまずプレイしたのは「平成」の懐かしい番組やアニメをほうふつとさせる10個の問題で、簡単にKY度を測る「サクッと空気読み。」モード。
例えば、あるテレビ番組に関する問題だと、サングラスにスーツの男性が客席に向かって「こんにちはー」などと話を振ってくる(写真2)。プレイヤーは客席の人で、赤いアイコンになっている。4つの選択肢から適した答えを返し、場を盛り上げなくてはならない。10問を終えると「なんとはなしに読めてるっぽい」「そこはかとなく読めてるっぽい」など、ざっくりとしたKY度が判定される。
より詳しく測定したい場合には連続して100問に回答する「空気読み。」モードがある。記者も遊んだところ、ゲームのサブタイトル通り「令和」の話題やトレンドを取り入れて作られた問題がいくつもあった。
一例だが、自分がたばこを持って歩いていて、たいまつを持ったランナーがやってくる道に差し掛かったとき、どうするか(写真1)。謎すぎるシチュエーションに戸惑うが、ふと見ると画面左には禁煙マークがある。反射的に「赤」キャラに引き返させ、ランナーにぶつからないようにしたところ、どうやら正解だったらしい。広報担当者によると、歩みを止めないとたいまつの火がたばこにうつってしまい、望ましくない結果に終わるそうだ。
「空気を読まずに行動した方が、面白い画に」
全力で空気を読み続けること1時間。100問終えた結果は、1000点満点中668点(写真5)で「人気者の海外ボランティア」だそう。7割に届かなかったと落ち込んでいたが、ジー・モード広報担当者に「初挑戦でこれはなかなかの高得点」と評してもらった。「知識」「役割理解」「共感」「洞察」「タイミング」の各項目について、「おしい」「平均よりちょい上」「よい」など細かく分析してもらえるので、弱点や強みがよくわかる。
毎回、問題が突然始まるため、状況を把握しきれず時間切れになったり、「こうすべきだ」とわかっていても操作を失敗したり、思い通りにいかない箇所が多かった。反省を2回目のチャレンジで生かすも、あえて空気を読まない行動を取り「空気読めない度」を測定するも自由。ただ広報担当者によると「空気を読まずに行動した方が、面白い画になるケースが多い」。
なるほど。であれば"空気を読んで"、「空気を読まない」プレイを楽しむのもよさそうだ。