世界レベルのサーフィンを知る男 仲村拓久未が東京五輪の波に乗る【特集・目指せ!東京2020】

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国内を転戦、白星積み重ねて調子上げる

――日本と世界の差というのはあるのでしょうか。

仲村 あります。単純に、米国やオーストラリアと比べると(日本国内は)波の質が違います。練習しているフィールドも、自分たちの方が甘い。波のパワーが弱いです。

――では、仲村選手の場合、それをどう乗り越えようとしていますか。

仲村 ひとつは練習環境(の改善)ですね。ただ「勝つためにはこれをやればいい」という練習はありません。今は、これまでずっとやってきたことをやるだけです。

――仲村選手は2015年、「JPSA ショートボード男子 ランキング 日本チャンピオン」になって、WCTに出場するために海外に拠点を移してから、数字上は苦しんでいるように見えます。

仲村 2016年以降も海外の大会で、いくつか良いサーフィンが出来ていました。たぶん、2017年の1月、カノアとファイナルで戦った時(メンズ・クオリファイング・シリーズ開幕戦)がピークだったと思います。今思えば、海外に行って2年目とかだったので、うまく勝ててしまった感じでした。波も自分に合っていた場所でしたし。それが続けば、世界で勝てる選手になれるのかなとも思いました。
最近は勝てていないので、今年は日本の試合を回って、勝つことで調子を上げようと考えています。まずは茨城で行われるJPSAジャパンプロサーフィンツアー2019 ショートボード第4戦、9月末には種子島で第5戦があり、フィリピンの東南アジア大会と試合が続きます。そこで勝って、来年のISAに繋げて、東京五輪に選出されるように頑張ります。

(編集部より)仲村選手は、本インタビュー後に行われたJPSAジャパンプロサーフィンツアー2019 ショートボード第4戦で3位入賞しました。


仲村拓久未(Nakamura Takumi)
1996年4月8日生まれ。奈良県出身。
2015年、「JPSA ショートボード男子 ランキング 日本チャンピオン」を獲得。
その後、世界最高峰の「ワールドチャンピオンシップツアー(WCT)」に出場するために、海外に拠点を移し、WCT出場の権利を得るため「ワールドクオリファイイングシリーズ(WQS)」でポイント・ランキング10位を目指し挑戦。
また現在は、2020年東京オリンピックの追加種目として正式決定したサーフィンの日本代表選手に選出されることを目指している。

文:石井紘人(いしい・はやと)
ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。
著作に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)、プロデュース作品に久保竜彦が出演した『弾丸シュートを蹴る方法』(JVD)がある。
『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「静寂から熱狂そしてリスペクト」などを寄稿。
株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』の版元でもある。

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