国内を転戦、白星積み重ねて調子上げる
――日本と世界の差というのはあるのでしょうか。
仲村 あります。単純に、米国やオーストラリアと比べると(日本国内は)波の質が違います。練習しているフィールドも、自分たちの方が甘い。波のパワーが弱いです。
――では、仲村選手の場合、それをどう乗り越えようとしていますか。
仲村 ひとつは練習環境(の改善)ですね。ただ「勝つためにはこれをやればいい」という練習はありません。今は、これまでずっとやってきたことをやるだけです。
――仲村選手は2015年、「JPSA ショートボード男子 ランキング 日本チャンピオン」になって、WCTに出場するために海外に拠点を移してから、数字上は苦しんでいるように見えます。
仲村 2016年以降も海外の大会で、いくつか良いサーフィンが出来ていました。たぶん、2017年の1月、カノアとファイナルで戦った時(メンズ・クオリファイング・シリーズ開幕戦)がピークだったと思います。今思えば、海外に行って2年目とかだったので、うまく勝ててしまった感じでした。波も自分に合っていた場所でしたし。それが続けば、世界で勝てる選手になれるのかなとも思いました。
最近は勝てていないので、今年は日本の試合を回って、勝つことで調子を上げようと考えています。まずは茨城で行われるJPSAジャパンプロサーフィンツアー2019 ショートボード第4戦、9月末には種子島で第5戦があり、フィリピンの東南アジア大会と試合が続きます。そこで勝って、来年のISAに繋げて、東京五輪に選出されるように頑張ります。
(編集部より)仲村選手は、本インタビュー後に行われたJPSAジャパンプロサーフィンツアー2019 ショートボード第4戦で3位入賞しました。
仲村拓久未(Nakamura Takumi)
1996年4月8日生まれ。奈良県出身。
2015年、「JPSA ショートボード男子 ランキング 日本チャンピオン」を獲得。
その後、世界最高峰の「ワールドチャンピオンシップツアー(WCT)」に出場するために、海外に拠点を移し、WCT出場の権利を得るため「ワールドクオリファイイングシリーズ(WQS)」でポイント・ランキング10位を目指し挑戦。
また現在は、2020年東京オリンピックの追加種目として正式決定したサーフィンの日本代表選手に選出されることを目指している。