裏も表もファンに見せてきた
今年の1月、彼らが25周年イヤーの皮切りとして新聞紙上で発表した"宣言"は"GLAY DEMOCRACY 25th Anniversary バンドって、民主主義だと思う"だった。
誰かの大きな力で作り上げたわけでも一人のリーダーの意志に支配されていたわけでもない。8月17,18日にメットライフドームで行われた野外ライブは一日目が「良いGLAY」で二日目が「悪いGLAY」。ソフトなバラードからハードなロック、人懐っこく涙もろく、時には羽目を外したりふざけあったり、心の底から怒ったり悲しんだり。一人の人間に様々な面があるように裏も表も見せてきたバンドの「人格」とその喜怒哀楽に共感し支えてきたファンとの関係。それを彼らは「DEMOCRACY・民主主義」と呼んだ。
その"宣言"とともに発表された、25周年に果たす「7つの公約」があった。
1・全国ホールツアー開催、2・新元号初シングル発売、3・メットライフドーム公演、4・新元号アルバム発売、5・大型アリーナツアー開催、6・25周年ベストアルバム発売、7・海外ロングツアー&ドームツアー開催、という7つである。
その1にあった全国ホールツアーは「GLAY LIVE TOUR 2019-SURVIVAL-令和最初のGLAYとHEAVY GAUGE」。99年に発売されたアルバム「HEAVY GAUGE」を今、改めて全曲演奏するというツアーだった。
染み入るように優しい「HOWEVER」や口ずさみたくなる「誘惑」のようなキャッチーさとは違うシリアスな重みを持ったラブソングが新境地を感じさせた転機のアルバム。20世紀を迎えようとする世界と向き合ったラブソングは彼らの人としての成長を見るようだった。
公約の4つ目にあたるのが新作アルバム「NO DEMOCRACY」。筆者には「HEAVY GAUGE」の令和版のように思えた。