京都府内で23店舗を展開し、地元では知られた書店チェーンの大垣書店。
その創業店と位置付けられる「北大路店」(京都市北区)が2019年10月12日をもって閉店する。SNS上では、悲しみの声が広がっている。
周囲は大学が立地する学生街
店舗は太平洋戦争中の1942(昭和17)年に京都市街地の北側にある北大路エリアで開店。当初は1階のみだったが、1992年に隣接するビルに移転すると、現在まで4階建ての店舗として営業してきた。近年はフロアの一部をレンタル可能な「ギャラリー」に改装し、書店以外の活用も図られていた。
店舗は長く「本店」を名乗っていたが、2019年3月に京都市内の別の場所に新たな「本店」が開店したことを受け「北大路店」に改称していた。
同店周辺は大谷大学、京都府立大学、予備校などが立地する「学生の街」だ。ツイッター上では、
「受験期にはお世話になりました(過去問爆買いしてた)」
「すぐそばの大学に通ってたこともあり、数え切れんくらい本を買わせてもらった思い出。
閉店は切ない」
「学生のころ、ほんとよく行ったなあ。学校は行かなくてもあそこは行った」
など、学生時代に利用していたというユーザーの閉店を惜しむ書き込みが目立った。
広報担当者「残したい気持ちはある」も現状は...
J-CASTトレンドは2019年9月19日、大垣書店の広報担当者を取材した。
店頭に掲出された、閉店を知らせる貼り紙には「多様化するニーズに対応するための充分な品揃えを維持することが困難になり、この度の判断に至りました」と書かれている。担当者は、「新たな京都本店が出来たため、中心店舗をそちらに移行するという判断を下した。今の北大路店の坪数では限界がある」と答えた。
また、不況が叫ばれる書店業界の中で、北大路店でも客足の減少や売上効率の悪化が課題だったと説明、閉店は総合的な要因を受けての決断だと語った。
店頭の貼り紙には「将来的には、何とか発祥の地として新たな形で書店を再開できればと思っております」と書かれている。しかし、担当者は「現時点で店舗の再開は考えていない。我々としても『発祥の地』ということで残したい気持ちはあるが、時代の流れもある」と回答した。