日本の茶葉特有「テアニン」の可能性追求
九州大学は1961年から、久山町と相互協力のもと、40歳以上の住民全員に対する疫学調査「久山町研究」を継続して行っている。内容は、住民が受診したその日に検診結果を出して発症リスクを伝える毎年の健診、「剖検」による正確な死因の究明、そして追跡率99%以上を誇る追跡調査だ。約60年にわたり、およそ1万人の健康情報を蓄積してきた。
緑茶飲料「伊右衛門」を販売するサントリー食品インターナショナルは、今回、九州大学と共同で研究にあたった背景について、
「後継者不足などで高級緑茶茶葉の手配や入手に苦心している茶農家を元気にして茶葉生産のモチベーションを喚起することが、国内の茶農家の『源流調達』にこだわる伊右衛門の使命。そのために、緑茶に含まれる成分の中でも、伊右衛門が特徴としてもつ、日本の茶葉特有のテアニンに可能性がないかと考え、生活習慣病予防の研究と啓発に長年取り組む九州大学の久山町研究室のドアを叩いた」
と発表資料で明かしている。