話し合いで解決できない場合は専門機関へ
高齢の家族が運転をやめてくれず、困っているときの対応について、国立長寿医療研究センターの長寿政策科学研究部ウェブサイトから無料でダウンロードできる「認知症高齢者の自動車運転を考える家族介護者のための支援マニュアル」が参考になる。まず高齢ドライバーの車に同乗してみて、以下のチェック項目に当てはまるかどうかを観察し、日付を記録しておくことが重要だ。
(1)センターラインを越える
(2)路側帯に乗り上げる
(3)車庫入れ(指定枠内への駐車)に失敗する
(4)ふだん通らない道に出ると、急に迷ってしまったり、パニック状態になったりする
(5)車間距離が短くなる
マニュアルによると、これらは高齢になっただけで増えてくる失敗というわけではなく、認知症のためにさらに起こりやすくなるものだ。1つでも繰り返して起こすようなときは交通事故を起こす可能性が高く、危険を示すサインになる。事実を伝え、粘り強く話し合っても解決が見られない場合には、警察署や免許センターなど「運転適性相談窓口」がある専門機関を頼ることが望ましい。