京都人の褒め言葉には「裏」がある―――
ツイッター上で近頃、俗説的にささやかれる「京都人」独特の口ぶりを茶化したツイートが相次いで投稿された。京都出身を名乗るユーザーからは、ステレオタイプな「京都人」のイメージに対する反論が寄せられている。
「京都人」が主語のネタツイートが流行
発端となったのは、2019年8月22日に投稿された以下の内容だ。
「京都の会社と商談していて、『良い時計してますなぁ』と言われ、時計のスペックを語ってしまった。実は本音が『話長えよ』という嫌味だったと気づいたときのおいらの気持ち」
つぶやきは大きな反響を呼び、8月30日14時時点でリツイート数は4万、「いいね」数も11万を超えている。
このつぶやきの後、ツイッター上では、
「指導医が京都人『えらい丁寧なカルテ書きはりますなぁ』 訳)カルテ長すぎて読みにくい」
「『いい統計してはりますなぁ』と厚労省を煽る京都人」
「京都人が他人を褒めるときは(中略)『平安時代やったらブスどすなぁ』とか言うの?」
など、人を褒めるフリをしながら、その発言には「裏」があることを茶化したツイートが相次いで投稿された。
一方、こうしたツイートに対し、京都と縁があるというユーザーからは異論を唱える声が聞かれた。
「京都で生まれて京都で育ったけど、京都人は遠回しに嫌味を言うみたいなの、実際には見たことない」
「洛中出身の京都人ですけど、(中略)純粋に他人を褒めたいときはどうすればいいのか分からなくなってきました。そんなに婉曲表現する人ばかりじゃないのですが」
「私は京都で仕事をしているので知っていますが、(中略)京都人も怒らせると普通に「お前ええ加減にせえよ」と言います」
在住経験者の「京都人」像は...
J-CASTトレンド編集部は、京都で学生時代を過ごした複数人に「京都人」に対するイメージを聞いた。
京都の大学に通っていたAさんは「あまり本性を見せないイメージ。常に沈着冷静で、大阪や兵庫の人とは雰囲気の違いを感じる」と、近畿圏における「京都人」の特殊さを感じていたようだ。それでも、「(いま話題になっているような)悪口を言われことはない」という。
一方、京都では古くからの中心市街の「洛中」と外縁部の「洛外」では文化が異なると言われ、2015年のベストセラー『京都ぎらい』(著・井上章一/朝日新聞出版)でも、洛中・洛外出身者の立ち位置の違いが伝えられている。
洛中出身の友人が居たというTさんは、「悪口を言うような、いけず(意地の悪い)な人ではなかった。ぶぶ漬け(お茶漬けのこと。京都では客人に退去を促す目的で出されると言われている)の件も『そんなこと言いませんよ~』と否定していた」と、こちらも「裏がある」イメージとは異なっているようだ。
また、洛外に住んでいたことがあるYさんは「年末になると、近所のおばちゃんは年越しそばをくれた」というエピソードを話してくれた。
このように、総じて「京都人に悪口を言うイメージはない」という回答が返ってきた。
実際に京都人と接したことのある読者の方々はどうお思いだろうか。