現役の大学生が制作した学習用教材「ニッポンのしゅくだいドリル」が2019年9月1日に発売されるのを記念して、ジュンク堂書店・大阪本店(大阪市北区)で小学生に向けてのワークショップイベントが8月24日に開催された。
「答えがないドリル」で斬新なアイデアを提案
「ニッポンのしゅくだいドリル」は、大阪人間科学大学(大阪府摂津市)の学生による、「社会問題を解決するためのアイデア」を考えるためのドリル。介護や福祉など、対人支援を学ぶ彼らが知った日本の社会課題を、より多くの人に知ってもらい、考えるきっかけになればという思いで制作された。今回出版されるのは、その第一弾で、小学生にも分かるようにまとめ上げたものだ。学習用ドリルだが、答えがない。子どもたちはどのように取り組むのか、今回のイベントが初めての実践の場となった。
ワークショップでは参加した小学生たちが、ドリルにも収録されている4つの問題の中から自分が取り組みやすいものを選んで、解決策を考える流れで進行。初めての経験に頭を悩ませながらも、それぞれ懸命に取り組む姿が見られた。そして、大学生からのヒントや、導きの甲斐もあってか、「中途障害」というテーマに対しては、「かけると視野が広くなるメガネ」や「障害者の動きを体験できるテーマパーク」など、子どもたちならではの斬新なアイデアが提案された。
参加者の1人の小学4年生は、「仲良く遊ぶことの問題」について取り組み、「困っている人の声が聞こえるイヤホン」を思いついた。「友達と喧嘩しちゃったとき、謝りたいなと思っても、なかなか素直に言えないときもある。でもイヤホンにしたら、そんな声も届くかな、って。同じように困っている友だちの声も聞こえると思った」とアイデアに至った理由を話してくれた。
イベントの参加を決めた保護者は、「堅い内容で難しいかな、と感じていたが、思った以上にスラスラと取り組んでいる姿が見られた。親子ともに、今まで知らなかったことや、興味がなかったことを知るきっかけになったと思う」と語った。
イベントには、パラバスケットボール元日本代表の根木慎志さん(54)がスペシャルゲストとして登壇。パラスポーツの魅力や、チャレンジすることの大切さを、参加した親子たちに伝えた。
小学生のワークショップは、今後も随時開催予定だ。