ツイッターで「他社とのコラボキャンペーン実施数が飛び抜けている企業アカウント」といえば、約18.6万フォロワーを抱える「クリスタルガイザー」だろうか。
いつ見てもそのタイムラインはキャンペーンのお知らせで埋め尽くされ、純粋な商品紹介ツイートがなかなか見当たらない。徹底してキャンペーンを続ける理由とは。
ツイッターキャンペーンが売上増に繋がる
【クリスタルガイザー(軟水)】大塚食品(大阪市)のミネラルウォーターブランドで、製品に関するキャンペーン、プロモーション情報をツイートしている。2015年春から現在の担当者である大塚食品社員O氏と、協力会社のS氏が二人三脚で運用。
大塚食品のO氏は飲料事業部製品二課の所属で、クリスタルガイザーのブランディングと製品戦略を行っている。これらの業務を通じて得た、クリスタルガイザーにまつわる情報を協力会社のS氏に共有。SNS運用ルールにのっとったうえで、S氏がツイートやリプライへの返信、他社アカウントとのコラボキャンペーン対応などに当たっている。
クリスタルガイザーが行うキャンペーンの応募条件は原則、(1)クリスタルガイザーとコラボ先のアカウントをフォロー、(2)キャンペーンツイートをRT(リツイート)。その応募者の中から当選したユーザーに商品をプレゼントする。O氏曰く「正直な話、10万フォロワーを突破するまではフォロワー増が目的だった」。だが現在の狙いは、こうだ。
「『クリスタルガイザーのおいしさを直接知っている人』を増やすことです。そのために、リアルで『Sweet Love Shower』や『Greenroom Festival』などの音楽イベントやスポーツ大会に協賛してクリスタルガイザーを配布します。あわせて、ツイッターでもキャンペーンを通じて消費者に商品を渡しています。すると口コミやツイッターでクリスタルガイザーの感想や評判が広がる。それが昨今、売り上げに繋がってきていると感じています」
O氏は、飲料総研出典データにて、2019年1~7月期の「ミネラルウォーター」カテゴリーの売り上げが前年同期を下回ったなか、クリスタルガイザーの売り上げは前年同期比二桁増だったという。
「今年の7月頭は例年に比べて気温の低い状態が長く続きました。それが各ブランドの苦戦理由だと思います。クリスタルガイザーは取り組みが奏功したのか、若者を中心に認知が広がって日常的な飲み物として受け入れられ、売り上げが気候の影響を受けにくくなってきているとみています」