ゆるキャラグランプリ2019で、異色の「オールドルーキー」が躍進を続けている。
宮城県の魅力を非公式に発信する「ケヤッキー」は、初挑戦となった今年の大会でいきなり東北地方最上位の全体11位にランクイン中だ。(8月14日時点)
県の管理を外れ、人々から忘れ去られていたキャラクターの復活劇。J-CASTトレンドはケヤッキー人気を支える「立役者」を取材した。
県PR役から離れるも...人気アカウントの手で「蘇生」
宮城県の県木「ケヤキ」がモチーフのケヤッキーは、2001年の「宮城国体」の公式PRキャラクターとして登場。大会終了後も、しばらくは宮城県のPRを行なっていた。
しかし、2005年に県の管理を離れると、おにぎりと伊達政宗をイメージした「むすび丸」が県の公式キャラとして2007年に登場。表舞台への露出が激減したケヤッキーは、一時は宮城県民からも忘れ去られた存在となっていた。
どん底のケヤッキーに救いの手を差し伸べたのは、ツイッター上で宮城の魅力を発信する「おいでよ宮城」(@oimyg)さんだった。2014年にケヤッキーの画像をアイコンに用いたアカウントを開設すると、
「所詮この世は弱肉強食 弱ければ死に、強ければ宮城においでよ」
「宮城においでよ 冥土の宮城に」
など、何かにつけて宮城への来訪を勧めるシュールなつぶやきが県民の支持を獲得。それに伴い、ケヤッキーの知名度も徐々に上昇していった。
やがてケヤッキーは「おいでよ宮城」の公式キャラクターに就任すると、ことし初めて「ゆるキャラグランプリ」に挑戦。8月1日から投票がはじまると、一時はベスト10入りを果たす躍進ぶりを見せ、以降も宮城県の公式キャラ「むすび丸」の票数を大きく上回るなど快進撃を続けている。
「順位が上がっても下がっても...」
ゆるキャラグランプリの途中経過を、ケヤッキーを支えるおいでよ宮城さんはどう受け止めているのだろうか。J-CASTトレンドが取材すると、
「順位はあくまで注目度。ケヤッキーは順位が上がっても下がってもそれはそれで面白いので、それを投票したみんなとワイワイ共有したいね」
と、順位よりもケヤッキーの話題で盛り上がることに意義を見出しているようだ。
また、県公式キャラの「むすび丸」より上位にいることには「畏れ多いよ」としながら、
「前からグランプリに参加しているむすび丸たちが一緒に戦っていることで、初めての挑戦だけど安心感があるよ。ケヤッキーがたまたま注目されてるけど、むすび丸の普段の努力がムダムダの無じゃないことはみんな分かってるよ!」
と、ライバルではなく「仲間」として戦うむすび丸にエールを送った。
大会は10月25日まで投票が行われる。最後に今後の抱負を聞くと、
「投票したみんなで今まで見たこともない景色を一緒に見よう。みんなもケヤッキーも むすび丸も共に前へ。宮城においでよ」
と語った。