西日本豪雨から1年後の真備町を歩く 平静な街と生活再建に必死な被災者

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   岡山県倉敷市真備町。2018年7月の西日本豪雨で被災した地域の一つだ。町中が茶色く濁った水に浸かり、人々が病院で救助を待つショッキングな映像は連日、全国に中継された。

   あれから1年、被害の大きかった場所をJ-CASTトレンド記者が歩いた。街は一見「すっかり元通り」の様子だが、取材を進めるとサポートを必要としている人は今も多いと分かった。

  • 西日本豪雨発生から間もない時期の岡山県倉敷市真備町(写真クレジット:ピースボート災害ボランティアセンター)
    西日本豪雨発生から間もない時期の岡山県倉敷市真備町(写真クレジット:ピースボート災害ボランティアセンター)
  • 西日本豪雨発生から間もない時期の岡山県倉敷市真備町(写真クレジット:ピースボート災害ボランティアセンター)
    西日本豪雨発生から間もない時期の岡山県倉敷市真備町(写真クレジット:ピースボート災害ボランティアセンター)
  • 小田川の堤防が決壊したとみられる部分は、そこだけ明らかに違っていた
    小田川の堤防が決壊したとみられる部分は、そこだけ明らかに違っていた
  • 末政川の堤防決壊場所。工事した場所は立ち入り禁止だった
    末政川の堤防決壊場所。工事した場所は立ち入り禁止だった
  • 末政川の流れは小さなものだった
    末政川の流れは小さなものだった
  • 西日本豪雨の際に浸水した真備の街も、1年が過ぎてクルマが多く走っていた
    西日本豪雨の際に浸水した真備の街も、1年が過ぎてクルマが多く走っていた
  • 西日本豪雨発生から間もない時期の岡山県倉敷市真備町(写真クレジット:ピースボート災害ボランティアセンター)
  • 西日本豪雨発生から間もない時期の岡山県倉敷市真備町(写真クレジット:ピースボート災害ボランティアセンター)
  • 小田川の堤防が決壊したとみられる部分は、そこだけ明らかに違っていた
  • 末政川の堤防決壊場所。工事した場所は立ち入り禁止だった
  • 末政川の流れは小さなものだった
  • 西日本豪雨の際に浸水した真備の街も、1年が過ぎてクルマが多く走っていた

堤防決壊、こんな小さな川で...

   記者が乗車した井原鉄道の車両が、鉄橋に差し掛かった。眼下には高梁川が流れ、進行方向の後方で小田川と合流している。あの日――集中豪雨で水かさが増した小田川では、複数個所にわたって堤防が決壊、周辺地域にあふれ出した。

   吉備真備駅から小田川に向かい、川沿いをしばらく歩く。この日は水量が少なく、町を水浸しにしたとは想像できない静かな流れだった。気づくと、土手の色が明らかに違っている場所が見えてきた。決壊地点だ。すでに固められているが、かえって目立つ。その近くには、建物は残っているが人の気配が皆無だったり、ブロック塀だけが残っていたりという光景が見られた。

   被害の大きかった地域のうち、小田川の支流、末政川にも足を運んだ。1年前、冠水した様子がテレビで報じられた「まび記念病院」から近い場所で、工事をしていた。確かに川の両岸を整備しているが、「川」と呼ぶにはあまりにも細い流れで驚いた。

   川沿いを少し進んだが、草木に覆われて水面が見えないほど。ところが先は、堤防が決壊したとみられる場所が修復され、取材時点では「立ち入り禁止」だった。

   普段は静かな川や小さな流れが、豪雨と増水で突如濁流と化し、周辺地域に襲いかかかる。記者は2017年の九州北部豪雨の被災地、福岡県朝倉市を取材した際、住民が「いつもは水がチョロチョロしか流れていない自宅前の側溝が、豪雨のときは足をとられそうな勢いの急流となって、恐ろしかった」と証言していたのを思い出した。

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