東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、2020年4月ごろからパラリンピックが閉会するまでの期間、「東京2020NIPPONフェスティバル」を開催し、日本の文化・芸術の力を国内外に発信する文化プログラムを全国で展開する。
能楽協会と日本能楽会は、同フェスティバル共催プログラムとして、合計12日間の大型公演「東京2020オリンピック・パラリンピック能楽祭」を大会期間中に開催する。その記者会見が2019年7月31日、会場となる国立能楽堂(東京都渋谷区)で行われた。
若い世代にも、海外からの観光客にも見てほしい
国立能楽堂は、JR千駄ヶ谷駅から徒歩5分。新国立競技場とも徒歩10分圏内だ。
会見には、能楽協会、日本能楽会の理事たちと組織委員会副事務総長の古宮正章氏が登壇した。冒頭で能楽協会理事長の観世銕之丞(かんぜ・てつのじょう)さんらが仕舞「船弁慶」を披露したのち、能楽祭の概要報告が行われた。
能楽協会は、1964年の東京五輪の際も「オリンピック能楽祭」という名称で10日間の連続公演を行っていた。観世銕之丞さんによると、能楽協会と日本能楽会は「前回に負けない規模」での能楽祭を行うため、5年ほど前からPRイベントを行ってきた。日本のユニークな文化である「能楽」「狂言」を若い世代や海外の人にも触れてもらいたい、という思いで企画を進めてきたという。
日本能楽会常務理事の粟谷能夫さんは、64年の能楽祭に裏方の楽屋働きとして参加していたと話した。当時は欧米文化が押し寄せ日本文化が下火になっていた時期で、五輪を機に「日本文化を再発見しよう」という機運が高まっていたという。そのため、若い観客も多かったそうだ。
2020年の能楽祭でも若い人にアピールし、将来にわたって愛される芸術として認知してもらいたいと語った。