スポーツの安全な環境作りに向けて活動するATHLETE SAVE JAPAN(本社:東京都)は、小中学生を対象としたカヌー体験教室を2019年7月25日に東京・江東区の豊洲ぐるり公園乗船場で開催した。
講師として2016年リオデジャネイロ五輪のカヌー・スラローム男子で銅メダルを獲得した羽根田卓也さんが登場し、子どもたちを前に丁寧な指導を見せた。
泣いている子どもには駆け寄りアドバイス
子どもたちは地上での準備体操、パドル漕ぎの練習を終えたあと、ボートに乗って豊洲の水辺を走行した。
カヌー初体験の子どもたちはうまく前に進めず苦戦していたが、羽根田さんら講師陣の丁寧な指導により徐々に要領を会得。はじめは水上を右往左往していたものの、自分の進みたい方向にボートを漕げるようになっていった。
また、思うように漕げずに泣いている子どもには羽根田さんが駆け寄り、優しく励ますようにアドバイスをしていた。
カヌー体験後の羽根田さんによるデモンストレーションでは、指導中の優しげな雰囲気から一転、水しぶきが上がるほどの豪快な個人技を披露。日本人初の五輪カヌーメダリストが躍動する姿に、近くで見ていた子どもたちからは歓声が上がった。
教室を終えた子どもたちからは「最初はあまり進めなかったけど、前に進めるようになってよかった」、「興味がなかったカヌーに興味を持てた」といった声があがった。
「本格的にカヌーをはじめてくれる子がいれば」
カヌー教室終了後、羽根田さんが取材に答えた。
子どもたちを指導した感想を問われ、
「これだけの子どもたちと触れ合う機会はない。自分がカヌーを教える代わりに、子どもたちから沢山エネルギーをもらった」
と語った。
また、自身の子ども時代と照らし合わせ、
「自分はカヌーをはじめた時点で親がカヌー選手をやっていたので、辛いトレーニングがあった。今日の子どもたちは、純粋にカヌーを楽しんでくれたと思う。こういうところからカヌーの面白さや魅力に気づいて、本格的にカヌーをはじめてくれる子がいれば」
と、カヌー人口拡大に向け期待を口にした。
開催まで1年を切った2020年の東京五輪では、リオ大会に次ぐ連続のメダル獲得を目指す。
「『あと1年しかない』という気持ちで時間を惜しんでトレーニングし、『まだ1年ある』からレベルアップを図れるというポジティブな捉え方で向かっていきたい」
と意気込みを見せた。【特集・目指せ!東京2020】