個人データが資産となる
グーグルやフェイスブックが、そのプラットフォームに集まるデータをビッグデータとして利用し、財産的価値を生んでいることは良く知られているが、データの本来の作成者に対価が支払われていない。スマート・コントラクトを利用すれば送金手数料なしに、個人データの利用を小額で行うシステムが構築可能となる。本人が同意する範囲で事業者に有料でデータ使用を認めるのである。データ・ポータビリティ、情報銀行と呼ばれる。健康・医療データ以外にも、その人の仕事の力量を示す学歴・職歴・資格データ、スマートフォンにあるアプリケーション使用実績を含めた生活情報、金融資産情報などが考えられる。
シェア・エコノミーにもブロックチェーン技術が追い風となる。書き換えのできないP2Pデータが取引の信頼を支えるからである。銀行を介さないで資金を集めるクラウド・ファンディングは、人々の連帯感や共感が動機となっているが、取引記録が一元的に管理できれば、誠実な起業家なら資金を繰り返し調達しやすくなる。
中古品の個人間売買や、一時的に仕事の依頼などにも、ブロックチェーン台帳の記録があれば、ネットオークション企業や人材派遣会社のような管理主体の必要性が低下する。配車サービスの「ウーバー」や、宿泊サービスの「エアビーアンドビー」は半無人のサービスであるが、これらに代わる管理主体のない無人サービスが誕生する可能性がある。
経済官庁 ドラえもんの妻