2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催中、通勤時間帯を中心に交通の混雑・渋滞が予想されている。東京都は、その緩和を目的とした社会実験「真夏のらくらく舟旅通勤」を2019年7月24日から実施する。
朝の通勤時間帯に中央区日本橋~晴海で小型の旅客船をノンストップで走らせるものだ。J-CASTトレンドは、7月23日に行なわれた記者向け乗船会で「船通勤」を体験した。
東京の景色の変化を低い目線から楽しめる
出発点は、日本の道路網の始点となる「日本橋」のすぐそばにある船着き場。この日はあいにくの雨だったが、使われた船は屋根付きの「エスエスセレナード」だ。船内は冷房が効き、定員44人の座席にはコンセントが備え付けられてスマートフォンの充電ができる。通勤電車にはないことが多いトイレがついているのも、ありがたい。全員着席となり、この点も楽だ。
船は朝9時に出航し、首都高速道路の下を這うように日本橋川をゆっくり下っていく。走行中は船尾からモーター音が聞こえてくるが、会話が問題なくできる程度で気にならない。揺れも少なく、手元のペットボトルの飲み物がこぼれることはない。
日本橋のビル群は川下へ進むほど低層になっていくが、隅田川に入ると船は加速し、今度は臨海部の高層タワーマンション群がいきなり正面に迫ってくる。
臨海部に浮かぶ佃島の水門をくぐり、運河をまっすぐ進むと、2020年の東京五輪・パラリンピックで使われる選手村が左手に見えてくる。すでに出来上がっている建物が多いように見えたが、一部ではクレーンが立ち、工事が続いている。
こうした東京の景色の変化を低い目線から楽しめるのは、船ならではの特色だ。
なお、通常ルートでは選手村の目の前は通らないが、航路変更により通ることもあるという。