2011年3月に起きた東日本大震災の被災地で役目を終えた仮設住宅の建材を再利用して作る「東京2020 復興のモニュメント」のプロジェクト発表会が、2019年7月17日に東京・港区で行なわれた。
発表会にはプロテニスプレーヤーの錦織圭選手と、宮城県出身のお笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおさん、富澤たけしさんが登壇し、被災地への思いや五輪に向けた意気込みを語った。
解体した仮設住宅から「モニュメント」つくるプロジェクト
2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と住宅設備大手のLIXIL(リクシル)が中心となって実施するプロジェクトは、岩手・宮城・福島の被災3県で解体された仮設住宅から回収したアルミ建材を元に、2020年大会の理念の一つ「被災地の復興」を象徴するモニュメントを作成するものだ。
東京芸術大学の学生がデザインするモニュメントには被災3県の中高生が考えたメッセージが盛り込まれ、完成後は各県1体ずつ、計3体のモニュメントが2020年大会開催中に都内で展示される。閉会後は大会参加選手によるサインが書き加えられ、被災地に設置される。
震災時は米国にいたという錦織選手は当時を振り返り、「たくさんの方が心配し、日本をケアしてくれた」とコメントした。
一方、宮城県気仙沼市での番組撮影中に被災したサンドウィッチマンの2人は、震災直後に「東北魂義援金」を設立。震災から8年が経ったいまも、東北出身者として被災地の現状を広く伝えている。
伊達さんは、
「(震災時は)日本だけでなく、レスキュー隊、義援金などで世界中が協力してくださった。東北がこれだけ盛り返してきましたよ、というのを見ていただくのも(モニュメントの)大きな要素」
とコメント。富澤さんは、
「(被災者にとって)仮設住宅は辛い生活の象徴みたいなところがある。形を変えてアスリートと結びつくことで『応援しよう』とかポジティブな気持ちに変わるんじゃないか」
と語った。