「家族・親戚での揉め事があったから」、「家族に薦められたから」――。遺産相続手続きを検討している人の約6割が、検討し始めた理由を「家族」だと答えた。
インターネットサービス事業のDMM.comのグループ会社「終活ねっと」(東京都渋谷区)が2019年7月10日に公表した「遺産相続」に関する実態調査結果からわかった。
遺産相続の検討、6割が40代・50代から始める
本調査は全国20代以上の男女1万人から回答を得た。
まず「遺産を相続した経験」について。「ある」は19.3%、「ない」は75.4%で、残る5.3%は「遺産相続の権利を放棄した」と答えた。世代別に見ると、50歳未満の人で「遺産相続の経験がある」人の割合は10%以下だが、50歳以上では平均で34.1%となり、3人に1人にまで増える。
次に、遺産を相続した経験がある1930人を対象に、何を相続したか調べた(複数回答可)。回答が多かった順に「現金・預貯金(80.3%)」、「土地・家屋などの不動産(54.0%)」、「有価証券(15.1%)」、「貴金属(10.8%)」。終活ねっとは発表資料で「遺産相続されるものは現金・預貯金と不動産が圧倒的に多い」としている。
1万人の中で、実際に遺産相続手続きを検討している618人に回答者を絞り、手続きを行おうと思った理由を質問した(複数回答可)。最も多かったのは「家族・親戚での揉め事があったため(29.6%)」、続いて「家族に薦められたため(28.2%)」、「節税が出来ると知ったため(27.3%)」、「弁護士、税理士など士業の専門家に薦められたため(12.8%)」という結果だ。遺産相続手続きを行おうと思った理由の約6割が「家族」が起因となっている。
いつ頃から検討を始めたのかについては、「40歳~49歳(31.9%)」が最も多かった。以降は「50歳~59歳(31.2%)」、「60歳~69歳(19.9%)」、「30歳~39歳(11.5%)」の順。遺産相続の検討を始めるタイミングは40代・50代が最も多く、全体の6割以上を占めている。
最後に、同じ618人を対象に「自分の遺産相続について誰かに相談したか」を調査した(複数回答可)。最多回答は「家族へ相談した(50.8%)」で、次点は「特にしてない(26.4%)」。「弁護士、税理士など士業の専門家へ相談した(25.4%)」、「友人・知人へ相談した(12.0%)」が続いた。