政策決定当事者にとっては「実験」ではない
さらに、政策について「実験」という表現は政策現場に関わる人間には使えない。これからの令和の時代、大規模緩和からの出口戦略、地方の衰退や超高齢社会への対応、財政再建、エネルギー問題、米中対立等、解決困難な課題に、世界各国に先駆けてソルーションを見出していかなければならない。これは政策決定当事者にとっては「実験」ではなく、結果責任も問われる政策選択そのものである。
また、混迷の背景として、当事者の「『認識の難しさ』が共通のキーワードとして浮かび上がってくる」としている。これは平成に限ってのことではなく、令和の時代の政策の一端を担う者も、先人の教訓として、心しなければならない。
元号はいいものだ。元号があるのは世界で日本だけらしいが、せっかくの機会、一区切りついた平成という時代を、書を通じて、自分の歩みの中で総括することをお勧めしたい。
経済官庁 吉右衛門