ハードボイルドとスコッチ
客観的に見て、濃い眉と髭が特徴的な北方さんは、コネリーに似ていないこともない。
余談だが、私自身、彫りがやや浅いけれど北方さんに似ていると家人に言われる。コネリーの雰囲気がないこともない、と評されたこともある。正直、こんなに肉がつく前は「築地のショーン・コネリー」を自称していたほどだ。
ハードボイルド小説で名を成し、スコッチウイスキーに造詣が深い北方さんである。故国スコットランドをこよなく愛するコネリーとの相性が悪いはずがない。17歳上のスターから面と向かって「君は私に似ている」と言われたのだから、さぞや嬉しかったことだろう。ミーハーの私なら「あ、もういっぺん同じことを言ってください。録音しますんで」と頼みかねないところである。
でも北方さん、これはやっぱり自慢ですね。横を向きながらそう思った。
冨永 格