「反逆する異端児」E.サティ 異色の作曲家は「現代音楽の開祖」に

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

「エリック・サティ、ジムノペディストです」

   今では彼の代表曲として演奏されるピアノ曲、「ジムノペディ」・・・全3曲中、特に第1番が有名で、皆さんも1度は耳にしたことがあると思います・・・は比較的初期、22歳の時の作品であるため、小節線も調号もある「伝統的なクラシック音楽」の記譜法に倣っていますが、それでも十分斬新で、21世紀の現在、やっと時代が追いついたといってもよいぐらいの作品です。そこには、サティの良く言えば「自由奔放さ」、悪く言えば「確信犯的いい加減さ、ユルさ」、があふれており、なにより彼の世界を知る良い入門作品となっています。ゆるりとした音楽なのに、言葉を超えた、音楽のメッセージ性にあふれています。

   親元を離れ、若き無名の音楽家として芸術家のたむろするパリ・モンマルトルに暮らし始め、ピアノ弾きのアルバイトの面接でキャバレーの興行主に出会ったとき、彼は胸を張って「エリック・サティ、ジムノペディストです」と名乗ったそうです。7年在籍したパリ音楽院の旧来のアカデミズムに辟易していた彼がようやくそれらから解放され、自由な都市パリの中で自由人として生きてゆく・・彼の造語「ジムノペディ」には、彼自身にしかわからない、そんな意気込みが込められているような気がしてなりません。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール
私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミエ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

姉妹サイト