コインロッカーと同じ大きさのポップアップストア「POP UP-BOX」が登場した。大きさは220(幅)×67.5(奥行)×180(高さ)センチで、駅構内のデッドスペースを活用する。
2019年6月4日~30日の期間、東京・JR新宿駅とJR品川駅の改札内で実証実験を行っている。J-CASTトレンドは、新宿の店舗を取材した。
通行人にアピールでき、接客もしやすい
リリースによると、奥行がJRの駅で使用されているコインロッカーと同じサイズで、駅の省スペースのために開発された。期間中は1週間ごとに出店者が入れ替わり、両駅でそれぞれ4店が出店する。
記者が訪れた店舗は、新宿駅2階の11・12番線へのエレベーター付近にあり、壁に沿って設置されていた。前面が開いた箱に引き出し式の台が備え付けられており、台の上と箱の内側に商品が陳列される。
取材した6月12日は東京・国分寺のカフェ「Siunaus Cafe」が店を構え、ドーナツを販売していた。店員に聞くと、新宿駅内での販売用に様々な工夫があった。例えば、駅の利用者の目を引くために、本来はドリンク用のカップに小さなサイズのドーナツを数個入れたり、動物のデコレーションをしたドーナツのセットを作って置いたりしていた。
店員は店舗の脇に立つ。通りかかる駅の利用者に声掛けをすることも容易で、「接客しやすい」と話していた。
支払いは交通系ICカードとクレジットカードのみで、現金は扱っていない。そのためスムーズな会計が可能で、購入待ちの列ができても店員はすぐに対処できる。乗り換えの合間にも買い物できる「駅向き」の店舗といえよう。記者の取材中にも多くの人が店舗に興味をもち、あっという間に購入して次の目的地に向かった。
商品とポスターだけで出店可能
「POP UP-BOX」を開発したのは、ポップアップストアのためのスペースをオンラインで予約できるサービスを提供しているカウンターワークス(東京都目黒区)だ。
J-CASTトレンドの取材に答えた同社取締役の藪本祐介さんによると、「POP UP-BOX」なら商品とポスターなどの販促物さえあれば出店できるため、駅で店をオープンしやすくなっているとのこと。
実用化されれば期間限定で様々な店が入れ代わり立ち代わりで出店でき、駅の利用者は今まで知らなかった店に出会えるようになると藪本さんは予想する。デッドスペースを活用できるだけでなく、駅の活性化にもつながるのではないか、と話した。