東京・八王子のとある会社の玄関に、コケの生えた楕円形の「墓」がある。3基のうちの一つには、「R.I.P. WINDOWS XP B2001-D2014」の文字が刻まれ、他の2基も同様にアルファベットで「WINDOWS」と書かれている。
そう、ここは米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」をまつる「墓地」なのだ。
人感センサーにより各OSの起動音が流れる
パソコン(PC)の販売・処分を手掛けるいっとく(東京都八王子市)が本社前に設置したのは、1998年に発売され2006年に延長サポートを終えた「ウィンドウズ98」、2001年に発売され14年に延長サポートを終えた「ウィンドウズXP」の墓と、「ウィンドウズ2000」や「ウィンドウズVISTA」など複数のOSをまつった共同墓の計3基だ。
墓はすべて発泡スチロール製で、映画の小道具を製作する会社に依頼した。墓前にある十字架の花飾りに手を添えると、人感センサーにより各OSの起動音が流れる仕組みになっている。
なぜ、こうしたユニークな墓を設置したのか。
いっとくの永野間祐一社長に取材すると、2020年1月に「ウィンドウズ 7」が延長サポートを終了するのに合わせたジョーク企画の一環だという。
「過去のウィンドウズOSをリスペクトするスポットとして、歴代のウィンドウズのお墓を作ってみることにしました」
永野間社長によれば、すでに「ウィンドウズ7のお墓」も完成済みで、来年1月のサポート終了後に登場させる予定だと明かし、こう呼びかけた。
「不要なパソコン処分ついでに、(OSの)思い出に浸りにお墓詣りはいかがでしょうか」