葬式や法事・法要など、暮らしの中で僧侶に頼る場面がある。だが「お坊さんの手配」にかかる金額は予想が立たず、実費が想定金額をオーバーしたケースは珍しくないようだ。
インターネットサービス事業のDMM.comのグループ会社「終活ねっと」(東京都渋谷区)が2019年5月29日に公表した調査結果から、こうした実情が明らかになった。
想定予算「20万円未満」が 9 割超
はじめに「お坊さんの手配経験」の有無を調べたところ、「手配したことがある(19.8%)」に対し、「手配したことがない」は80.2%と、約4倍の差がついた。世代別に見ると、40歳未満で「手配したことがある」人は10%にも満たないが、40歳以上になると「手配したことがある」人は平均27.8%と増加する。
これまでの手配経験の有無に関わらず、「葬儀・法要を行う場合に、手配するお坊さんはすでに決まっているかどうか」という質問。最多回答は「決まっていない(40.2%)」で、次いで「手配する予定はない(30.3%)」、「決まっている(29.6%)」となった。また、僧侶を一度でも手配したことがある1976人を対象に同じ質問をすると、64.8%が「決まっている」と答え、「決まっていない」は20.8%、「手配する予定はない」は14.4% だった。
では葬儀の際、僧侶の手配にどのくらいの費用を考えているのか。1万人の回答者のうち、想定予算の最多は「5万円未満」で48.5%、続いて「5 万円以上~10万円未満(27.0%)」、「10 万円以上~15万円未満(9.2%)」、「15万円以上~20 万円未満(6.9%)」となった。以降は「20万円以上~25万円未満(2.8%)」、「25万円以上~30万円未満(3.1%)」、「30万円以上~35万円未満(0.8%)」、「35万円以上~40万円未満(0.3%)」、「40万円以上~(1.4%)」で、「20万円以上」の回答を合わせても8.4%にしかならない。つまり予算を20万円未満で考えている人が 9 割以上に上るということだ。
対して、実際に葬儀で僧侶を手配するのにかかった費用はいくらか。「葬式」の場面で手配経験がある579人を対象に調べた。結果は「5万円以上~10 万円未満(24.9%)」が最も多く、以降は「10万円以上~15万円未満(14.9%)」、「15万円以上~20 万円未満(11.7%)」、「5万円未満(10.9%)」だ。