■安田記念「カス丸の競馬GⅠ大予想」
     アーモンドアイ8連勝を阻むもの

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   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。先週のダービーは大番狂わせだったじぇい。12番人気のロジャーバローズが2分22秒6のダービーレコードで優勝、カスヨ姉さんが久しぶりに○◎▲、カス丸も△▲◎で三連複当てたじぇい。そして今週はついに、あのアーモンドアイが登場する安田記念(2019年6月2日、東京競馬場、芝1600メートル)だよ。春のGIもそろそろ終わりだけど、このレースが今年1番の注目レースだと皆な言ってるじぇい。カスヨさん、なんで? 

   カスヨ いやあ、今週は本当にワクワクするわ。今年最高のレースといってもいいんじゃないかしら。4歳牝馬、牡馬のチャンピオン対決ね。まずは東の横綱が、GI5連勝を含む7連勝中の世界のアーモンドアイ。そして西の横綱がダノンプレミアム。ダノンプレミアムは去年の皐月賞を前にケガをしなかったら、世代ナンバーワンの地位を不動にできたくらいの馬だわ。やっとケガから回復して、2連勝。本当はここに香港競馬のビューティージェネレーションが出るという話もあったんだけど、そうなったら凱旋門賞以上のレースになったのに残念だわ。でも他にも日本を代表するマイル専門馬が勢ぞろいしたから、史上空前のレースになるのは間違いないわよ。

アーモンドアイに勝つ戦法

   カス丸 ふーん。でも、そう言っていてカスヨさんの本命◎はアエロリットだよ。どうなってるきゃすう?

   カスヨ わたしは穴狙いだって何度も言ってるでしょ?馬券になると、話が違ってくるのよ。カス丸も言ったように今の東京競馬場はレコード続きのスピード競馬になってるわ。そのうち骨折する馬が出るんじゃないかと心配なほどよ。先週は競馬の祭典ダービーのために、柵を移動させて新コースを設定したばかり。しかも雨が降らないから、内柵沿いに走ってしまえばロジャーバローズみたいに止まらないのよ。そのスピードコースを走れる1番手がアエロリットというわけ。3週前のGI・ヴィクトリアマイルも同じ舞台でレコード決着だったんだけど、それを演出したのがアエロリットね。最初の1000メートルがなんと56秒1というとんでもないスピードで逃げたわ。ちなみに安田記念のレコードは2012年の1分31秒3よ。このときの1000メートルラップが56秒3だから、いかに速かったがわかるわね。なぜ、こんなに最初から飛ばしたかというと、おそらくアーモンドアイに勝つためなのよ。きっとリハーサルをしたのだと思うわ。結果はコンマ4差で5着。いくら軽い東京の芝でも、最後は抜かれてしまうから今度は途中のラップを変えてくるはずよ。レコードとなってる2012年のときは中団やや後ろにいたストロングリターンが最後の上がり3ハロン(600メートル)を33秒8で走って勝ったわ。いくら今の芝が軽いからと言って、あまり飛ばし過ぎると、やっぱり差されてしまうわけね。となると、アエロリットの勝ち方としては3年前のロゴタイプが勝った時のやり方になりそうね。つまり最初から先頭に立つのは同じ。枠も1枠2番とこれ以上ないところに入ったから楽に逃げられるわ。スピードをある程度維持して、後ろから来るアーモンドアイとダノンプレミアムに脚を使わざるを得なくする。前半で脚を使えば、直線に入って最後のスピードも思うように出ない。そこで自分はロジャーバローズが走った内柵沿いを全力で走ればなかなかスピードが落ちない。この作戦のリハーサルなのよ。

   カス丸 へえー、でも爺の本命はやっぱりアーモンドアイだじぇい。カスヨ姉さんが言うように7連勝がストップする危険があるきゃすう?

   ガジュマル爺 カスヨの妄想も手におえんわい。先週のロジャーバローズを予想したのが当たったからといって、調子に乗ってますますひどくなる一方じゃ。アーモンドアイの7連勝を見ておったら、スキがまったくないことが分かるはずじゃ。この馬は後方からしか勝てない馬とは違うんじゃ。去年のGI・ジャパンカップでは先行して勝ったのを忘れてしまったかと言いたい。外枠(7枠14番)に入ったのもいい。先行勢をじっくり見ていられるわい。アーモンドこそ「絶対王者」なんじゃ。しかもマイル戦は3戦3勝じゃ。そんな小手先の先行策など通用せん。前が速くなればなったで、いくらでも対応ができるのがアーモンドの凄いところなんじゃ。

ダノンプレミアムはどう走る?

   カスヨ 爺は何年、競馬をやってるのよ。競馬に絶対はない、というのを教えてくれたのは爺のはずよ。忘れちゃったの?先週のダービーでダントツ1番人気のサートゥルナーリアは4着だったの、もう忘れたの?爺の大本命だったわ。それが出遅れて、最後は苦しそうに顔をあげてたわね。絶対なんてないのよ。安田記念のアーモンドアイは苦戦するわ。なぜかってアエロリットとダノンプレミアムを追っかけて先行すれば、最後の脚が緩むわ。2400メートルのジャパンカップと違って、今度は1600メートルしかないマイル戦よ。最初から最後まで猛烈なスピード勝負よ。ジャパンカップは距離があるから途中スピードが緩むけど、今度はそうはいかないわよ。マイル戦3勝といっても、たとえばアーモンドが勝ったGI・桜花賞は1分33秒1よ。ストロングリターンの記録とは2秒近くも違うのよ。しかも、今度はそれ以上のレコードが出るのは間違いないわ。2012年とはメンバー全体のレベルが違うからよ。アーモンドだって先行勢について行かなければ、最後は届かないという危険が出てくるわ。アーモンドにとって、このレースは本当に難しいはずよ。

   カス丸 じゃあ、ダノンプレミアムはどうなるきゃすう?爺の対抗○だよ。

 

   ガジュマル爺 アーモンドとプレミアム、この2頭の力はともかく頭抜けておるわい。プレミアムはカスヨが言ったとおり、ケガがなければ4歳牡馬の「絶対王者」になれた馬じゃ。ここ2戦でかつての勢いが戻ってきたわい。前走のGII・マイラーズカップは2番手で進み、最後の上がり3ハロンがなんと32秒2で圧勝じゃ。先行する馬の末脚がこんなスピードで走られたら、後ろから来る馬は31秒台でなきゃ勝てんわい。が、そもそも31秒台で走れる馬などいないじゃろ。アエロリットが逃げて、その後をプレミアムが追う。その後をアーモンドが行き、最後は2頭の争いじゃな。カタいぞ、このレースは。

   カス丸 予想がまったく違うじぇい。カスヨさんの対抗○はケイアイノーテックだよ。2強対決をみたいといって、2強以外の馬ばかりだじぇい。

   カスヨ だから、穴狙いだってことよ。前が速くなるのは間違いないわ。でも、騎手も時計を見ながら走っているわけじゃないから、想定以上に速くなりすぎるとストロングリターンが勝った時のように後ろから来る馬に差されるわね。そのときの差し馬の筆頭がケイアイノーテックだということよ。この馬は去年のNHKマイルを勝ってるのよ。NHKマイルといえば、今回と同じコースよ。しかも、ノーテックは直線に入った時に後ろから2番手、ストロングリターンよりも速い33秒7で上がったわ。前走のマイラーズカップではダノンプレミアムに負けたけど、最後の3ハロンはダノンより速い32秒1よ。この末脚が今回は生きる可能性があるから要注意なのよ。

一発狙いのマイル専門馬が結集

   カス丸 マイル専門の馬が集結したって、他にどういうのが有力きゃすう?

   ガジュマル爺 まずはステルヴィオじゃ。去年秋のマイルのチャンピオンじゃ。年明け2戦は1800、2000メートルを走って勝てておらんが、今度は得意のマイルに戻って、しかもダミアン・レーン騎手じゃから本領発揮じゃろ。それとフィアーノロマーノじゃ。安田記念では前走がGII・京王杯スプリングカップかGIII・ダービー卿チャレンジトロフィーを走った馬が活躍するのが多いんじゃが、フィアーノはダービー卿を勝ってきたんじゃ。先行できる馬じゃから前残りも十分にあるわい。それとスマートオーディンじゃ。この馬の父親は、舞台が同じNHKマイルのレコードを持っておるダノンシャンティじゃ。オーディンも才能を期待されておったんじゃがケガで2年間も走れなかったんじゃ。それが今年2月、GIII・阪急杯(阪神、1400メートル)を圧勝して復活を果たしたばかりじゃ。鋭い末脚をもっておるぞ。そして最後はサクラアンプルールじゃな。この馬は中山競馬場に強いというイメージがあるんじゃが、ずっと2000メートル以上を使ってきておる。東京のマイルはタフなコースじゃから、2000メートル以上を走ってきた馬が穴をあけるんじゃ。

   カスヨ わたしはまず、去年このレースで勝ったモズアスコットね。先週のダービーをレコードで勝ったロジャーバローズは血統的にノーザンダンサー系のダンチヒの血を持っていたわ。このモズアスコットも持っているのよ。ここ3戦は低迷しちゃったけど、今回は人気が落ちるし狙い目だわね。それとマイル戦といえば、やっぱりペルシアンナイトよね。2年前の秋のマイルチャンピオンよ。ここ2戦は2000メートルを走ってきたけど、得意のマイルだから変わり身は確実よ。あとはディープインパクトの子、サングレーザーかしらね。末脚が確実な一頭よ。

   カス丸 うーん、話を聞いてると分かんなくなるじぇい。でも先行できて勢いがある馬となると、ダノンプレミアムが本命◎だじぇい。当てるきゃすう。

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