日本語に英語、中国語が聞こえてくる
この日訪れていたのは個人客、親子、知り合い同士など様々。人々は褐色の湯に浸かりながら、仕事の話やプライベートの話など、思い思いの話をしていたようだ。
だが、聞こえてきたのは日本語だけではない。耳をすませば、英語、中国語など多様な国の言語が飛び交っていることに気づく。
日本を代表する観光地・浅草では、銭湯すらも国際色にあふれていた。
湯から上がり、着替えを終えて休憩所に出ると、客たちが瓶の清涼飲料水を片手にくつろいでいる。それをしり目に、のれんをくぐって銭湯を出ると、また新たな入浴客が店に入ってきた。
「こんなに賑わっているのに、本当に閉店してしまうのだろうか」
初めて訪れた蛇骨湯だったが、なぜか名残惜しい気持ちになってしまった。