ストレス解消といえば、お酒、カラオケ、ショッピング...といったことが浮かぶ。ところが、そうしたものは一時的な効果しかなく、根本的解決には至らないと本書の著者は言う。
確かに平日仕事をきちんとこなして、週末パーっと騒いでも、終わってみれば気持ちはまた何となく晴れないところへと戻されている。では、どうしたらいいのか、その解決策を示してくれるのが鉄人社の「超ストレス解消法-イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド-」だ。
解消法は質よりも量が大切
本書が発売されたのは約1年前の2018年5月だが、すでに6刷。メンタリストDaiGo氏がYouTubeで紹介したりして、19年5月の10連休中にはアマゾンの全書籍ランキングで3位に上昇した。
科学的実証に基づき、身体面・精神面の両方からストレス解消にアプローチしていて、一時的ではない、根本的な部分からの解消を目指している。
本書の特徴は、100ものメソッドが載っているという点だ。その一つ一つに「科学的信頼度」「手軽さ」「即効性」「効果の高さ」「持続時間」の5項目からなるレーダーチャートが設けられている。これを参考にして、自分が求めるものを探し実践することが可能となっている。
著者は「ストレス対策は質より量だ」と断言。ストレスには個人差があり、その解消法もみんなバラバラで多ければ多いほどよい、という。
まず第1章で、自分の抱えるストレス度合いを測る方法をいくつか提示する。ストレス度合いを知ったら、具体的な解消法へ。
メソッドは「食べ物」「サプリメント」「アプリ」「呼吸法」「運動」「思考」といったさまざまな観点から成っている。どれも驚くほど簡単で、なにより楽しそうだ。
たとえば、「マインドバステクニック」。自分はバスの運転手で、心に浮かぶものを「バスの乗客」だとイメージしてみる。チョコレートが食べたいのをガマンしてイライラしているのなら、座席に座らせた「チョコレート」を次のバス停で降ろしてしまうというもの。子供だましのように思えるが、英国のスウォンジ大学の研究チームにより実証されている。
「脱フュージョン」というのもある。近年の心理療法で広く使われるようになったテクニックだという。「歌っちゃう法」では、ネガティブな思考を歌に変えてしまう。たとえば、「俺は~ダ~メ~人間~」と「ハッピーバースデー」のメロディーに乗せて歌う。
一見、アホらしいようだが、どんなネガティブな思考でもたんなる言葉に過ぎないことを実感していくためのエクササイズ。自分とネガティブなフレーズを切り離すことが大切なのだという。
一番重要なのは、「自分に効く」ものを知ること。この本の最終ゴールは、心がどんなダメージを受けても、すぐに立ち直れる無敵のメンタルを手に入れることだという。