学情は2019年5月24日、20代の社会人が選ぶ「転職人気企業ランキング」を公表した。上位を占めた顔ぶれから、同社は「今後も成長が見込まれる企業が人気」と発表資料で分析している。
また学情は、2020年3月卒業予定の全国大学3年生、大学院1年生9482人を対象にした「就職人気企業ランキング」もあわせて公表し、2つの結果を比較。同社は、どちらも同じ「20代」が回答しているランキングだが、異なる傾向が見えているとしている。
社会人は「企業の成長性重視」、学生は「安定志向」
まず、654人の20代社会人男女が選んだ「転職人気企業」。総合1位に輝いたのはトヨタ自動車で、2位以降はグーグル、3位ソニー、4位アマゾンジャパン、5位ANA(全日本空輸)と続く。上位10社のうち、半数をITソフトウェアや電気機器業界の企業が占めた。また携帯キャリアへの参入が決まった楽天が9位に、リニア中央新幹線の計画を進めるJR東海が27位に、それぞれランクインしていることから、学情は「大手でありながら新たな事業にチャレンジしている企業が人気を集めている」としている。
一方、「2020卒就職人気企業ランキング」の1位は伊藤忠商事で、発表資料によると「6年ぶりに返り咲いた結果」。その理由を、
「朝型勤務などの働き方改革を積極的に取り組んでいる企業という印象が強く、テレビCM・新聞広告などでの広報戦略や『働き方改革』などのイメージ戦略が功を奏した」
とみている。なお2位以下は味の素、JTBグループ、オリエンタルランド、ANAの順。上位10社について「転職人気企業ランキング」と比べると、共通しているのは5位のANAのみだ。
学情は2つのランキング結果から、学生は「安定志向が強まる」、「直近の報道やテレビCMなどで見る企業イメージや選考スケジュールの影響を受けやすい」、20代の若手社会人は「『企業の成長性』や『成長している業界で経験を積むこと』を重視していると考えられる」と総括している。