建築・測量業界の展示会「建設・測量生産性向上展」(CSPI-EXPO)が2019年5月22日~24日に千葉・幕張メッセで開催された。
2018年8月に続き2回目で、展示エリアは前年の1万7000平方メートルから2万2000平方メートルに拡大した。
熱中症対策の機器や仮設洋式トイレ登場
展示会では、2019年4月に「働き方改革」関連法が施行したこともあり、建設現場などで働く作業員の労働環境を改善する技術が目立った。
IoT(モノのインターネット)技術を活用した製品を開発するエコモット(北海道札幌市)は、熱中症対策機器「ヒートロイド」を紹介していた。これはAI(人工知能)が現地の気温データと気象庁の過去の気温データを分析することで、熱中症の危険を示す「暑さ指数」を最長6時間先まで予測できる。指数が一定の値を超えるとパトランプなどでアラートを出すことが可能で、現場作業員の熱中症防止につながるという。
同社はほかにも風量や雨量を予測する機器を手掛け、変わりやすい天候下で作業員が安全に働くための技術を積極的に開発している。
仮設の洋式トイレを製造する日野興業(千葉県市川市)は、これまで「和式」が主流だった工事現場の仮設トイレ事情に一石を投じる。同社の製品は、ドアからトイレまでのスペースが広く確保されているほか、室内に手洗い器が設置されるなど、一般的なトイレに近い快適性を持っている。また女性専用の仮設トイレや温水洗浄便座付きのトイレも展開している。
建築・測量業界は「国を支える基幹産業」と主催者
5月22日のオープニングセレモニーでは、展示会実行委員長を務める谷鉄也氏、環境省環境副大臣の秋元司氏のほか、出展企業のうち約10社の代表者が登壇した。
谷氏は主催者代表として、「建設業界、測量業界は国を支える上で欠かせない基幹産業だ」と語り、労働力不足や高齢化といった課題が山積していることも指摘。その上で、「そうした課題(の解決)に少しでも力になれるよう、引き続きやっていきたい」と、次回の開催に向けて意欲を見せた。