イベントの企画運営・開催などを行う「CHIMERA Union」(キメラユニオン、東京都渋谷区)主催のアーバンスポーツフェスティバル「CHIMERA GAMES vol.7」が、東京・お台場の特設会場で2019年5月18~19日に開催される。
その前日にあたる5月17日夜、特設会場内のエリア「HERO X ZONE」で「CHIMERA GAMES vol.7前夜祭」が行われた。目玉は、人が操縦できる全長4.5メートルのロボット「MEGABOTS(メガボッツ)」のお披露目・搭乗体験イベントだ。
ゲームや映画で目にしたような外見をもつロボット
J-CASTトレンド記者が「HERO X ZONE」に足を運ぶと、まず会場前方にある巨大なコンテナが目に飛び込んできた。見上げても、視界に収まりきらないほど大きい。ロボットのイメージイラストが投射された白い幕がかけられ、その奥でロボットが登場の時を待っているのだ。
前夜祭が始まると、主催者で最先端ロボット開発・デザインなどを手掛ける「RDS」社長の杉原行里氏、制御盤・電機制御などを手がける三笠製作所社長の石田繁樹氏らがカウントダウンを開始。招待客や関係者ら多くの人々が見守るなか、まばゆい光や音の演出と共に「アイアングローリー」という名のロボットが姿を現した。全長4.5メートル、重さ6トンで、キャタピラ型の足と、時速120マイルのボールを発射できるバズーカがついた右アーム、丸めたTシャツを発射できる穴が幾つもついた左アームを持つ。建機を思わせる力強い駆動音で、記者がぎりぎりまで近付いてシャッターを切っていると空気の振動が伝わってきた。
同ロボットを開発した米・Megabots(メガボッツ)社代表のマット・オーレイン氏も会場に駆けつけ、
「大学時代に電子工学を学び、幼い頃にテレビゲームや映画の中で見ていたロボットは実現可能なのではないかと気付いた。テレビゲームからメガボッツを始めたと言っても過言ではない」
と話し、実際にコクピットに搭乗。アイアングローリーの上体を左右へ振る、曲げ伸ばし可能な膝部分を動かして立ち・座りなどの動作をして見せると、あちらこちらから歓声が上がった。
オーレイン氏による操縦デモンストレーションの後、杉原社長と石田社長に加え、アイアングローリーの登場演出を担当した「ワントゥーテン」社長の澤邊芳明氏、東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻教授の稲見昌彦氏の計4人が「一歩先のロボット」をテーマにトークセッションを行った。杉原社長は、
「今回日本に上陸した『メガボッツ』をきっかけに、eスポーツなどのエンターテインメントや、レスキュー、地方創生など、さまざまな分野とロボットとのコラボレーションの可能性を考えていきたい」
と語った。
アイアングローリーは2人乗りで、コクピットに前後2つの椅子がある。体験者が前の座席に乗り、後部座席のオーレイン氏が操縦することで、誰でもロボットパイロットになった気分を味わえるのだ。記者も搭乗したところ、想像していたよりもなめらかな動きで乗り心地抜群。むき出しのコクピットのため怖いのかと思っていたが、高い視点から見渡す景色に目を奪われている間に楽しい時間はすぐ過ぎ去ってしまった。
5月18~19日の2日間、抽選で選ばれた40人がこの巨大ロボット体験を楽しめる。
西暦2100年の東京を駆け抜ける「車いすレース」
そのほか「HERO X ZONE」にはRDSのカーボン車いす「WF01」や、自動運転技術を駆使した配送ロボット「ハコボット」などの展示スペースがある。
なかでも招待客たちの注目を集めていたのは、仮想空間に作られた「西暦2100年の東京」を車いすで駆け抜ける「車いすレース」。記者もVRゴーグルを装着し、パラ陸上のレースで使用される車いすを「未来型」にデザインした「Cyber Wheel」に乗って体験した。手で車いすをこぐ際に持つ左右の「ハンドリム」を回して走ったり、曲がったりするのだが、序盤は上手く進めず苦戦。しかしコツを掴むと急なカーブもスムーズに曲がれるようになり、疾走感を得られた。