2019年5月14日、鹿児島地方気象台が「奄美地方が梅雨入りしたとみられる」と発表した。全国で最も早い梅雨入りだ。これは平年より3日遅く、18年より13日早い。
ところで気象庁は、どういった基準で「梅雨入り」を判断しているのか。
後になって梅雨入りの日付が見直される場合も
気象庁のウェブサイトには「現在までの天候経過と一週間先までの見通しをもとに、梅雨の入り・明けの速報を『梅雨の時期に関する気象情報』として発表しています」との説明がある。また梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があり、大体その中日を「梅雨入り」、「梅雨明け」として示している。どうやら、「この条件が揃った時、この日が梅雨入りになる」という明確な基準はないようだ。
ただ気象サイト「ウェザーニュース」が配信した18年の記事では、気象庁が暫定的に定めている梅雨入りの基準について(1)晴天が2日以上続いた後、(2)梅雨前線の影響で前日と本日が雨、(3)その後1週間の天気予報が雨または曇り、という3点が紹介されている。
また「今日から梅雨」、「今日から梅雨明け」といった表現で、ある1日を特定することは難しいとの見方から、梅雨入り・梅雨明け日の末尾は「~ごろ」という表現になっている。事実、鹿児島地方気象台も「5月14日ごろ、奄美地方が梅雨入りしたとみられる」と発表している。さらに、気象台が「梅雨入りしたとみられます」と発表するのはあくまでも「速報値」であるため、後になって梅雨入りの日付が見直される場合もある。気象庁のウェブサイトにある説明は以下の通りだ。
「梅雨入り・明けの速報とは別に、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討を行い、9月はじめに梅雨入り・明けの確定を行います。その結果、速報で発表した梅雨入り・梅雨明けの期日と異なる場合があります」
なお関東甲信の梅雨入りは、平年「6月8日ごろ」となっており、18年は「6月6日ごろ」だった。一方、梅雨明けは平年が「7月21日ごろ」、18年は「6月29日ごろ」だ。