「食べ物をいつくしむことの大切さを伝えたかった」
小川原さんによると、オオグソクムシラーメンの販売を開始した背景には「食材を丸ごと一匹食べてほしい」という思いがあった。2016年から「オオグソクムシの丸揚げ」を提供していたが、エグみの強い内臓部分は料理としての使い道がなく、捨てざるを得なかったという。
どうにかしてオオグソクムシを余すことなく調理できないか。思い立ったのが、オオグソクムシの殻と身でラーメンの出汁を取り、内臓を味噌として活用することだった。
小川原さんは、「普通のラーメンだって動物の骨を使って出汁を取っている。グソクムシを丸ごと一匹使うことで、食べ物をいつくしむことの大切さを伝えたかった」と語る。
4月15日に販売を開始したオオグソクムシラーメンだが、実は記者が4月17日夜に注文した1杯が初めての提供だったという。小川原さんは「グソクムシを見て"ゲテモノ"と思うのは不思議じゃないし、"こんなもの食べられるか!"と思うのは普通だと思う。だけど、実際に食べたら"おいしい"んです。これからぜひ食べに来てほしい」と語った。