病気を自分の問題として主体的に治療に参加する
COMLは、患者側という立ち位置もあって、以前は、医療現場を糾弾したり、医療者に過剰な要求をするのではないかと身構えられたこともあったそうだ。
しかし、その基本姿勢は、医療者と敵対するのではなく、患者自身が病気を自分の問題ととらえ、主役となって治療を受けていこうというものだ。病気という、命や人生にとって決定的な意味を持つ重大事を、医療者任せにせず、患者自身が自立して「賢い患者になりましょう」と、患者側の変化を求めていることに、活動の本質がある。
COMLの定義する「賢い患者」とは、次の5つを満たす者だという。
(1)病気は自分の「持ち物」であると自覚する
(2)自分はどんな医療を受けたいかを考える
(3)その内容を言語化して医療者に伝える
(4)医療者とコミュニケーションを取りながら協働する
(5)(病気に戸惑ったり動転するのはアタリマエであり)1人で悩まない
昨年、短い期間ながら患者体験をした評者にとって、(1)の「病気は自分の『持ち物』である」、そして、(5)の「1人で悩まない」が特に印象に残った。
不安の中で医療を受ける立場にある患者にとって、病気を「持ち物」と自覚することはなかなか容易ではない。しかし、自分が受ける医療を納得ゆくものとするためには、敢えてこうした自覚が必要だとも感じる。そして同時に、不安のゆえに動転しがちな状況の中で、適切な判断を下していくためにも、1人で悩まず、信頼できる人に相談し、話を聴いてもらうことは非常に重要なことだと思う。
COMLが作成した「新 医者にかかる10箇条」のタイトルは、「あなたが"いのちの主人公・からだの責任者"」である。「賢い患者」になりたいと思う。
JOJO(厚生労働省)