ガスト、バーミヤン、ジョナサン...など、数々の外食チェーン店を運営する「すかいらーくホールディングス(以下、HD)」(本社=東京都武蔵野市)は、2019年9月1日から、グループ全店で「敷地内禁煙」を実施することを、同年3月20日に発表した。
受動喫煙防止を徹底するため店舗外の灰皿も撤去
同社広報に取材したところ、
「『すかいらーくHD』では『すべてはお客さまの笑顔のために』を経営の根幹に掲げております。そのため、この度、2019年9月1日から『全店舗敷地内禁煙』とすることとなりました」
記者も、深夜に同系列のファミレスを訪れることがある。そこで、ビールジョッキを片手にタバコを吸いつつ、談笑しながら勉強(?)している大学生たちの姿を見ると、25年前の自分を見ているようで、懐かしく思えるものだった。
同広報部は続けて、こうコメントした。
「お子さま、女性やご高齢のお客さまを始め、受動喫煙を望まないお客さまの健康に配慮した環境を整えていく予定です。またグループ内の従業員約10万人のうち3割(約3万人)が未成年で、従業員の健康増進、及び受動喫煙防止についても重要視しており、勤務時間中は全面禁煙とすることになりました」
ファミレスといえば、全面喫煙でなくても「分煙」、または入り口の外に灰皿を置くシステムが主流となっていたが、その分煙ルームや屋外喫煙所も全面撤去。電子タバコ等も同様だという。
しかし、愛煙家からのクレームはないのだろうか?
「それはあります。『(タバコが)吸える場所がなくなるのは残念だ』という問い合わせも、弊社お客さま相談室には来ております」
望まない受動喫煙を防止するための「受動喫煙対策」を盛り込んだ「健康増進法改正案」が可決、成立したのは2018年7月18日。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、特に外食産業では「禁煙」措置を取る店が増えている。喫煙者の肩身は、ますます狭くなっていくのだろうか。