平成とのお別れも目の前に迫ってきた。新元号まで残りわずか1か月前後。この30年、日本はどう変わったのか。今回は、スポーツや映画、ファッションなど移り変わりをたどるとともに、平成の政治改革や経済政策を検証し、新しい時代を生き抜くための方策を考えてみたい。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」でも特集記事を公開中。
政治学者とジャーナリストが3人の論者と論議
平成の政治をどうとらえればいいのか。『平成の政治』(編著:御厨貴、芹川洋一 日本経済新聞出版社 1944円)は、オーラルヒストリーの第一人者の政治学者・御厨貴氏と政治取材の経験の長いジャーナリスト・芹川洋一氏が3人の論者とそれぞれ平成政治を解剖する。
半世紀にわたり日本政治を研究してきた米コロンビア大学名誉教授のジェラルド・カーティス氏、経済財政相の経験のある政策研究大学院大学教授の大田弘子氏、政治学者から熊本県知事に転じた蒲島郁夫氏の各論者で、自由闊達な論議を繰り広げている。
目次は「政治改革の功罪」「党主導から官邸主導へ」「政治学と地方の視点から」の3部と終章の「平成から考える、その先の日本」。
「失われた30年」の真相と復活の条件
平成経済の「失敗の本質」とは一体何なのか。『めった斬り平成経済史 失敗の本質と復活の条件』(著者:高橋洋一 ビジネス社 1512円)は、官僚として、学者として平成経済にかかわり続けた著者が「失われた30年」を振り返り、その真実を斬って斬りまくる。
平成の日本経済はバブル経済から始まり、アベノミクスに続く。新しい時代に向けての「復活の条件」とは何か。
登場する主な出来事は、◆プラザ合意◆NTT株上場◆バブル崩壊◆不良債権◆イトマン事件◆長銀破綻◆ノーパンしゃぶしゃぶ事件◆金融ビッグバン◆銀行再編◆デフレ◆量的緩和◆ライブドア事件◆村上ファンド事件◆消えた年金問題◆埋蔵金発掘◆「ハトヤマノミクス」◆リーマンショック◆超円高◆復興増税◆アベノミクス◆黒田バズーカ◆ピケティブーム◆仮想通過など。いずれも新聞やテレビをにぎわせたニュースばかりだ。
今やなつかし「ワンレン」「たまごっち」「だんご兄弟」――
平成はどんな時代だったのか。『キーワードで見る! 平成カルチャー30年史』(三栄書房 980円)には、ヒット映画、名勝負、ベストセラー、ファッションなど暮らしや文化にまつわる出来事がぎっしりと盛り込まれている。平成の記憶の完全保存版だ。
紹介されているのは、★スポーツ=真央ちゃん・サムライJAPAN・なでしこ★文化=ワンレン・はやぶさ・シャンシャン★ヒット商品=たまごっち・ニンテンドー・DS★芸能=日本エレキテル連合・スギちゃん★テレビ=セーラームーン・101回目のプロポーズ★音楽=だんご3兄弟・小室ファミリー★映画=ポニョ・アナ雪・ハリポタ★出版=Santa Fe・漫画 君たちはどう生きるか★ファッション=ユニクロ・ネイルアート★話題=タマちゃん・世界遺産など。
あー、そうか。あんなこともあったね。あのとき、何をしていたんだろう――。1ページごとに当時が蘇る。平成元年から30年まで1年の出来事がまるわかり年表付きだ。