星稜の奥川 恭伸の17奪三振完封が目立った試合だったが、それをリードする山瀬 慎之助の活躍も光った試合となった。
履正社のエース・清水 大成を攻め立て、1回表に適時打、さらに6回には中前安打、8回には左前安打を放ち、猛打賞を記録。これで甲子園で放った安打は11本となった。このことについて触れられると、「甲子園にいけば打てる予感はしました」と笑顔を見せた。
昨秋は神宮大会期間中に手の甲を痛め、まともなバッティングができない期間が続いたが、冬の間は治療に努め、しっかりと完治させた。今回の3安打は秋の山瀬にはない鋭いスイングと打球で、リードと強肩が注目される山瀬だが、打撃面でもチェックしたいと思わせる内容だった。
奥川については「ストレート、変化球も素晴らしく、調子が良かったです。いつも落ち着きがあって、何回かピンチを迎えて、マウンドによってもあいつは落ち着いていて、さすがだな」とエースをたたえた。
9回裏、一死一、三塁の場面で4番井上 広太を迎え、投ゴロに打ち取り、併殺で試合終了。奥川のフィールディングが光った場面だったが、実は奥川、ランナー一塁にいることを忘れていたという。
「奥川の様子を見たら、忘れているんですよね。だから僕がセカンド!セカンド!と伝えました。良い送球をしてくれてよかったです」と最後まで奥川をアシストした。
センバツ優勝を狙う星稜にとって山瀬が攻守で躍動したのは大きな収穫。これからもエースとチームを救う活躍を見せていきたい。
(文=河嶋 宗一)