卓球「Tリーグ」のプレイオフファイナルが2019年3月17日、東京・両国国技館で行われた。女子はリーグ2位の「日本生命レッドエルフ」が、石川佳純選手(26)擁する同1位の「木下アビエル神奈川」を破って、初代チャンピオンに輝いた。
シーズンMVPには、プレイオフで2勝、シーズンでも11勝0敗の早田ひな選手(18、レッドエルフ)が選ばれた。
世界選手権代表選考の悔しさ晴らす
第3マッチ(試合)とヴィクトリーマッチ(第5マッチ)に出場し、2勝した早田選手。どちらも対戦相手は袁雪嬌(エンシュエジャオ)だった。試合後の囲み取材では、チームの優勝を決めたヴィクトリーマッチより「第3マッチがきつかったです」と振り返った。
「何度もマッチポイントを握られて。(相手は)第4マッチに石川選手が控えているというのもあったので、私が負けたら(チームの勝敗が)1-2になって、(石川選手と戦う)前田(美優)選手にプレッシャーがかかり、厳しい戦いになると思ったので」
プレイオフでは勝負強さが光った早田選手だが、最近の試合では苦い思いをした。4月にハンガリー・ブダペストで行われる世界選手権のシングルスでの出場をかけた3月2日の代表選考会で、同世代の加藤美優選手(19、日本ペイントマレッツ)に3-4で敗れた。最終ゲームは5-10と大幅リードでマッチポイントを握るも、大逆転負けを喫したのだ。
今回も同じように最終ゲームにもつれる大接戦だったが、相手にマッチポイントを握られることが多かった。それでも激しい打ち合いの末、19-17で勝利を収めた。
「選考会の時に最後まで同じことをして負けてしまいました。相手に手を読まれて、サーブなども工夫できませんでした。今回は絶対に同じことをしたくないいと思いました。(自分が)マッチポイントをとったときに、何か違うようなことをしなきゃ勝てないと思って、思い切ってロングサーブを出して、勝ちにつなげることができました」
試合中は、自分を落ち着かせるかのように何度もうなずく仕草や、早田選手へ大声援を送っている客席の方を見つめるシーンもあった。
「1本1本考えていたので、どっちかというとマッチポイントを握られているという感覚はなかったです。(相手のボールが)ここへきたらこう返そうということしか考えていませんでした。むしろ握られているときのほうが思いっきり打てたと思います」
勝利が決まった瞬間、その場に膝から崩れ落ちてしばらく立ち上がれなかった早田選手。目は少し潤んでいるようにみえた。