睡眠短く生産性悪い日本
従業員の健康に配慮することを企業の成長戦略の一つにと提唱した『なぜ「健康経営」で会社が変わるのか』の編著者の一人、特定非営利活動法人健康経営研究会の岡田邦夫理事長は、このセミナーでは、労働生産性と健康度との関連を調査した結果報告を交え、睡眠の問題を解説。「我が国は世界の中で睡眠時間が最も短く、長時間労働者の割合が韓国に次いで2番目に多い。しかし、労働生産性の水準は高くなく、日本よりも睡眠時間が1時間以上長いフランスや米国の時間あたりの労働生産性は約60ドルなのに対し、日本は約40ドル」という。
岡田理事長はまた「睡眠不足による経済的損失を調査したデータ」を紹介。日本のそれは1380億ドルで、この額はGDP(国内総生産)の2.92%にあたり「GDPに対する割合で見ると、先進国の中で日本が最も睡眠不足による経済的損失が大きい国」なのだ。「我が国は睡眠に極めて大きな問題を抱えている国」であり「睡眠の問題は個人では解消できないことが多いため、会社がある程度介入して仕事のあり方や仕事の与え方を検討していかなくてはならない」と話した。