体内リズムの乱れに注意
「目覚め方改革プロジェクト」のリーダー、久留米大学医学部神経精神医学講座の内村直尚教授は、パフォーマンスを左右する睡眠の重要性について、特に目覚めと体内リズムに着目して説明。睡眠は、脳や身体のメンテナンス、疲労回復や免疫力の向上、記憶の固定などさまざまな役割を担っており、睡眠不足が高じればこれらの機能に不都合が生じる。本人が気を付けているつもりでも「夜でも明るい24時間社会の現代日本では、体内リズムの乱れによる睡眠障害も増えてきている」とした。
30~60代の働く男女1600人を対象に行った調査によると、日中のパフォーマンスに関して100点満点中80点以上のパフォーマンスができているかの問いに、体内リズムが「整っている人」では50.7%が肯定的だったのに対し「乱れている人」は36.4%という結果だった。
内村教授は「4月からは新入社員が入社してくるが、遅寝・遅起きの生活をしていた学生の場合、入社後急に体内リズムが変わって時差ぼけのような状態になり、仕事に集中できないといったことも起こり得る」と指摘。また、今年のゴールデンウイークが10連休になることに触れ「この10連休を挟むことでせっかく整いだした体内リズムが乱れやすく、例年より5月病が増えるものと危惧されます」と注意を促した。