1日のうちで最も体が冷えると言われる朝、何を飲めば体を温めることができるのか。
「朝食に温かいものを摂取すること」の重要性を訴え、温朝食に関する基礎知識や最新ニュースを発信する「温朝食ラボ」(事務局:東京都渋谷区)は、「温かいスープ」と「温かいコーヒー」の2種類を摂取した後の体温上昇の比較検証を行い、このほど結果を公表した。発表資料には「同じ温かい飲み物でも、冷え対策にはスープの方が好ましい」との見方が示されている。
「温かいとろみのあるスープ」末端まで体温を継続的に温める効果
温朝食ラボは2017年11月に、女性3人を対象に「温かいスープ」、「温かいコーヒー」、「白湯」の3種類の飲料で体温上昇の比較検証を実施。摂取直後から体温が上昇し、継続的に体を温めるのは「温かいスープ」だという結果を導き出している。
今回はその結果を踏まえ、20代前半、30~40代、50~60代の女性8人に、前回と同じ3種類の飲料を飲んでもらい、サーモグラフィを用いて体温上昇を比較した。その結果、年代を問わず「温かいスープ」を摂取すると直後から腹部・手の甲が温まり、60分後もその状態が持続していることがわかった。一方「温かいコーヒー」だと摂取直後は多少温まるが、その後の体温が低下傾向だった。
実験を監修した東京・芝大門いまづクリニック・院長の今津嘉宏氏は、「温かいとろみのあるスープは、末端まで体温を継続的に温める効果がある」とコメントした。なぜ「とろみ」が重要かについては、「とろみがあると、飲食物が胃の中に停滞する時間が長くなるから」と説明。目覚めの1杯として朝に「温かいコーヒー」を飲む人は少なくないが、冷え改善や免疫力アップにもつながるとして、「温かいスープ」を摂取し、体を温める生活習慣にすることを奨励している。
「本試験では、スープ摂取後、腹部の体温が平均で最大約1℃上昇し、手の甲においては平均で最大約1.6℃上昇しました。体温が1℃上昇すると、免疫力が約5倍高まるといわれており、とろみのあるスープ摂取が、免疫力アップにもつながるといえます」(今津院長)