卓球の新リーグ「Tリーグ」の男子チーム「T.T彩たま」。2016年のリオデジャネイロ卓球男子団体の銀メダリスト、吉村真晴選手らが所属している。
プレー中はもちろん真剣そのものの選手たちだが、埼玉県内で開かれたファンクラブイベントを取材すると、参加選手や監督たちの絵心や個性といった、普段とは違った一面が垣間見えた。
一見バナナに見えるが...ファン「えええ!?」
選手たちが色紙に描いたイラストの内容をファンらが当てるコーナーで、どよめきが起こった。チームのキャプテン、吉村真晴選手がイラストを描き上げて色紙をファンらの方に向けたときだった。
「えええ!?」という驚きの声があがるや否や、もっとイラストをよく見ようと近づくファンたち。記者の目にはイラストは「バナナ」のように見えた。黄色いマーカーで描かれているため、遠くからではよく見えない。しばらくしてひとりの女性が挙手をし、イラストの内容は「東京ばな奈」だと答えた。吉村選手が「正解」と答えると、どこからか「よくわかったね」といった声も上がった。東京ばな奈はTリーグのオフィシャルパートナーであるため、正解した女性はバナナから連想して答えを導き出したと思われる。
吉村選手を含め、ほかの選手と監督のイラストの写真は記事内に掲載したので、ぜひご注目を! 今年1月に新加入した神(じん)巧也選手は「ミニオン」(映画「怪盗グルー」シリーズに登場するキャラクター)、香港出身のウォン・チュンティン選手はチームマスコットの「たまちゃん」、コーチを兼任する岸川聖也選手は同じくマスコットの「パンちゃん」、ポルトガル出身のティアゴ・アポロニア選手はチームメイトのチョン・ヨンシク選手(イベントには不参加)、坂本竜介監督はヨンシク選手の好物であるカツ丼のイラストを描いた。記者は、比較的絵心があるように感じた。イラスト色紙は各選手がサインを添えて、内容を当てたファンにプレゼントしていた。
イベント内では神選手が率先して、お笑いコンビ「チョコレートプラネット」の一発ネタ「TT兄弟」をほかの選手を巻き込みながら披露するなど、体を張ってファンを楽しませていた。
親近感高める活動しながら必ず優勝を
イベントが行われたのは、レギュラーシーズン終了後の2019年2月26日。そこで、選手と監督がTリーグ1年目のシーズンの報告とファンの応援への感謝を述べた。
吉村選手「まずはみなさんT.T彩たまというチームを選んでいただいてありがとうございます。今シーズンは3位という結果だったんですが、本当にみなさんの応援があって最後まであきらめずに戦うことができました。T.T彩たまは熱さ、そして個性あふれる選手がたくさんいるので、楽しいチームだと思います。来シーズンに向けて個々の力をアップさせて、リベンジできるようにするので、ぜひ応援してください」
坂本監督「地域密着のチームとして、地元のファンのみなさんに応援してもらおうと、SNSで選手たちのプライベート感を出してきました。『そんなことをやっているから試合に負けるんだ』というダイレクトメールがきたこともありました。でもやめません。そこもナンバーワン。実力もナンバーワン。それが埼玉の責任だと思いますし、自分自身の目標なので変わらず、親近感を沸いてもらえるような活動をしていきながら、優勝を必ず達成していくために戦います。卓球界だけではなく、スポーツ界のナンバーワンのクラブにしたいと考えています」
T.T彩たまは3月4日、来シーズンに向けて英国出身のリアム・ピッチフォード選手と合意したことを発表した。2018年に、リオ五輪・卓球男子シングルス金の馬龍選手、ライバルチーム「木下マイスター東京」の張本智和選手、水谷隼選手に勝利したこともある実力派だ。
個性あふれる選手たちが集まるT.T彩たま。来年3月は優勝報告会でファンを喜ばせたいところだ。