ファッションへの価値観は時代と共に移り変わるものだが、ブラジャーについてはどうだろう。
ワコール(京都市)は、1983年当時首都圏に在住していた18歳~39歳の女性300人に行い、84年に結果を発表した「現代女性のバスト意識調査」と、2019年に18歳~39歳の有職女性300人に実施した調査をもとに「昭和女子」と「平成女子」のブラジャーやバストに対する意識・実態を比較し、19年2月19日に結果を公表した。
平成女子は昭和女子と比べて「欲張り」
本調査でいう「昭和女子」、「平成女子」とは「昭和生まれ」、「平成生まれ」ではなく、「主にその時代を生きた女子」を指す。
はじめに、自分のバストについて評価してもらった。その結果、昭和女子の35.7%が「満足」と回答した一方で、平成女子は44.3%が「満足」と回答している。なおこの問いにおける「満足」は、「非常に満足している」「まあ満足している」の合計だ。
バストサイズの大きさとバストの満足度も比較した。平成女子は「満足」と答えた人が「Aカップ以下(20.0%)」、「Bカップ(30.0%)」、「Cカップ(34.9%)」、「Dカップ(65.7%)」、「Eカップ以上(71.4%)」となっており、バストサイズが上がるほど「満足」と答える人が増えている。
一方の昭和女子は、「小さい方」、「ふつう」、「大きい方」という回答区分になっており、満足度はそれぞれ、「小さい方(55.5%)」、「ふつう(57.5%)」、「大きい方(46.3%)」だ。平成女子とは逆に、大きいバストの人は満足度が低くなっており、ワコールは発表資料で「昭和と平成での意識の変化がうかがえる」としている。
ではブラジャー選びについてのこだわりはどうか。自分のバストにフィットするか「試着」の経験率を尋ねた質問。回答結果は平成女子が71.0%、昭和女子が41.6%と30ポイント近い差がついている。平成女子の多くはブラジャーの試着に意欲的のようだ。
ブラジャーを購入する際に求めるデザインについても調査した(複数回答可)。昭和女子の最多回答は「シンプル(56.7%)」で、次点が「ソフト(38.0%)」、「機能的(33.0%)」と続く。一方、平成女子は「かわいい(45.0%)」が1位、僅差で「軽い(41.0%)」、そして「シンプル(36.0%)」となった。ワコールは「平成女子はブラジャーに見た目も機能性も求めているようで、昭和女子と比べてより『よくばり』になっている」と分析している。