子どもたちと女性
初代英国公使オールコック(Sir Rutherford Alcock)は、日本を「子どもの楽園」となづけた。世界中で日本ほど子どもが親切に取り扱われ、深い注意が子どもたちに払われる国はないと。親の最大の関心事は子どもの教育であり、子どもは他人からのお菓子は親の許しがなければ決して受け取らないし、ゲームの規則は必ず守り疑問が生じた場合は年長の子どもの裁定にしたがう。
こうした親子関係は、先に述べた労働のあり方と違って日本文化の特徴をいまも残しているのかもしれない。
女性が有能で力を発揮していることもこの当時からである。庶民や農村の女性の地位は、支配階級の妻よりもかえって高く、仕事にも貢献し、夫の相談相手にもなるし、意見も取り上げられていた。一家の財布は当時から女性が預かっていた。
「逝きし世の面影」という題名は、何を伝えようとしているのか。
明治維新後の富国強兵政策によって、それ以前の精神風土は大きく変わってしまったと嘆いているのか。あるいは、自然と日月の運行を尊び「豊かな森」を愛した日本はこれから続けることができるのか。
世界ではSDGs(持続可能な開発目標)が共通の目標となっているが、いま日本を訪れる外国人は、日本はSDGsをほぼ達成しているという印象をもつという。将来の日本の姿を考えるときに、ときに150年前の日本の姿に思いをいたす。そうした読み方もおすすめである。
<経済官庁 ドラえもんの妻>